ブログカテゴリ:大嵜直人



「名勝負」を語る · 2019/10/25
あら、いらっしゃい。 今日は早いわね。 ……そうなの、早めに上がれるのはいいことよね。 どうぞどうぞ、ゆっくりしていってよ。 何にする? グレンリベット、ストレートね。めずらしいじゃない、初めからモルトにするの。 ……そうね、自分が好きなお酒を好きなように飲むのが、一番美味しい飲み方だと思うわ。...

「名勝負」を語る · 2019/10/17
勝負ごとは、ときに人の世で曖昧になりがちな「勝ち」と「負け」を色鮮やかに切り分け、それだけに、危険な香りを放って人々を魅了する。そして、死屍累々と積み上げられた「敗者」の上に、燦然と輝く「勝者」というものが存在する──。 そして、ときにすべてのタイトルを独占するような「勝者」が現れる。 勝負の世界に独占禁止法は、ない。 Winner takes all....

「名勝負」を語る · 2019/09/28
あら、いらっしゃい。 こんな時間に、しばらくご無沙汰だったわね。 ……あら、忙しいのはいいことよね。いつも通り? ……はい、それじゃ、いつものマンハッタンで。 珍しいわね、こんな時間に。今日は引きも早かったから、落ち着いて飲めるわよ。 ……そう、眠れないのが続いてるのね。...

「名勝負」を語る · 2019/08/18
札幌の夏は、短い。 皆がそれを知っているからだろうか? ハマナスの花が咲き始めるとどこか焦るように、それでいて何かを振り切るように、皆が思い思いのものを短い夏にぎゅっと詰め込む。 大きな道路沿いにラベンダーやひまわりの顔が揃い始め、朝顔がその美しい花を日に向け、マルヴァの花が背比べを始めると、大通公園の噴水の周りはにぎわいを見せる。...

「名勝負」を語る · 2019/07/11
「一年(ひととせ)に 一夜と思へど 七夕の 逢い見む秋の 限りなきかな」 千年の昔の歌人・紀貫之による、七夕をテーマにした和歌である。 「一年に一度だとは思うのだが、二人が出逢う秋の七夕(旧暦において7月は秋の始まりの月)の夜空は、これから限りなく何度も巡ってくるのだろうな」 という、七夕の夜の情感を詠った和歌。...

「名勝負」を語る · 2019/06/26
何かにつけて、目に映る世界にさまざまな色を付けたがるのが、人の性。 けれども、ほんとうはすべてのものごとには正誤善悪も何もなく、「ただそこに在る」だけなのかもしれない。そこに意味づけを行っているのは、やはり「人」。 目に留まる世界の切れ端から、何を、どんな眼鏡をかけて見るか。そしてその眼鏡は、必ず「自分で」選ぶことができる。...

「名勝負」を語る · 2019/06/02
日本と世界。 「平成」という30年と4か月弱続いた時代に、その関係性は大きく変化した。 よく言われる指標である「ヒト・モノ・カネ」においても、それは顕著だった。 モノとカネを表す経済面において、平成という時代は世界での日本の立ち位置を大きく変えた。...

「名勝負」を語る · 2019/05/26
年を重ねるとともに、人はいろんなものを忘却という海に沈めていく。 忘れることで、人は生きていけるのかもしれない。 けれども、競馬ほど、その忘却の海から追憶を呼び覚ますものはない。 馬券で楽しむとしても、スポーツとして楽しむとしても、物語・ドラマとして楽しむとしても──そもそもが、競馬の愉悦とは記憶と密接に結びついている。...

「名勝負」を語る · 2018/10/21
師走のある日の朝、まだ私が学生の頃。 父の訃報をしらせる電話を受けたとき、私は下宿先で寝ているところだった。 「落ち着いて聞きなさい」と切り出す祖母の方こそ、全く落ち着いていないだろうと妙に冷静だった。 不思議と、悲しいといった感情は湧かなかった。...

「名勝負」を語る · 2018/10/13
1998年9月27日。巨星、堕つ。 ナリタブライアンの訃報は、あまりにも突然だった。 そして、その年の真夏、フランス・ドーヴィル競馬場。 G1・モーリスドギース賞、シーキングザパール・武豊騎手、1着。 G1・ジャックルマロワ賞、タイキシャトル・岡部幸雄騎手、1着。 東西の名手に導かれた日本調教馬が、「世界」の舞台で輝いていた。...

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