ネットと見る三歳世代〜エアスピネル編〜

ネットと見る三歳世代シリーズ、第二弾はエアスピネルです。よろしくお願いいたします。
タレント揃いな三歳世代の中でも熱烈な固定ファンを獲得している印象があるエアスピネル、まず最初に注目して欲しいのはその血筋です。

 

注目ポイント①
「脈々と受け継がれてきた良血」

 

今年の三歳牡馬がタレント揃いなように、牝馬にもタレント揃いの世代があったりするものです。たとえば04年生まれの世代。64年ぶりに牝馬でダービーを勝ったウオッカ、37年ぶりに牝馬で有馬記念を勝ったダイワスカーレットの2頭を擁する世代です。その他も魅力的な馬がたくさん。超人気ですね。
そして、それに近い人気を集めているのがエアスピネルの母、エアメサイアを擁する02年生まれ世代かと思います。
エアメサイアは生まれた当初から期待を集めていた馬でした。何と言っても活躍馬の多い血筋です。
おじ(母の弟)は二冠馬エアシャカール(ダービーのみ二着)、母はオークス二着・桜花賞秋華賞で三着のエアデジャヴー、兄には二年連続で有馬記念三着のエアシェイディ。まさに日本の誇る血統のひとつと言えます。そしてネガティブな表現を使うなら、いわゆる「善戦マン」の多い血統でもあるのです……。
アグネスフライト、ファレノプシス、エリモエクセルなど、彗星の如く現れたスターホースにことごとく欲しいタイトルを奪われ続けた血統、というイメージを持つファンも多いかもしれません。
それを覆せる器と期待されたエアメサイアは、単勝1.4倍に支持されたデビュー戦を圧勝。しかし早くも2戦目、1頭目のライバル・ディアデラノビアに出会い、2着に敗れます。3戦目は勝利を収め、続く4戦目はディアデラノビアを封じるも新たなライバル・ラインクラフトに敗北。クラシック第1戦の桜花賞もラインクラフトが勝利を収めますが、エアメサイアが見据えていたのはその次、オークスでした。
しかしエアメサイアは、そのオークスでも勝利を逃します。エアメサイアの栄光を阻んだ馬は、デビューから5戦4勝でG1タイトルを手にしたスターホース「シーザリオ」でした。
またもやビッグタイトルを奪われたエアメサイア。秋には秋華賞でラインクラフトをクビ差で封じてG1ホースとなりますが、その頃には既にシーザリオは引退、ディアデラノビアも長期の休養に入っていました。

 

 

スターホースに、ビッグタイトルを奪われてきた一族ーーーー。

 

それを今度こそ覆して欲しい。エアスピネルは、そうした期待や願いを背負い、デビューを迎えます。

 

注目ポイント②
「戦績」

 

エアスピネルは新馬戦で、単勝1.9倍と1番人気に支持され、楽に勝利を収めます(ちなみにこの新馬戦、ロジクライやノガロなど、なかなかのメンバーが揃っていました)。
しかし続く2戦目、デイリー杯でエアスピネルは2番人気となります。1番人気を奪ったのはシュウジという馬でした。デビューから3戦すべてが圧勝という実績を持つシュウジは、まさにスター性のかたまり。単勝は1.7倍と高い人気を集めます。騎乗する岩田騎手も過去の名馬と比べるほど(うま速:[デイリー杯2歳S]岩田騎手「シュウジはロードカナロア級」でした。圧勝続きのシュウジ、良血馬エアスピネル。若き2強のどちらが勝つか、競馬ファンの注目が集まります(うま速:11/14(土)第50回デイリー杯2歳S(GⅡ))。

 

ーー結果は、エアスピネルの圧勝。周囲の不安を振り払うかのような快走でした(うま速:[デイリー杯] エアスピネル強すぎワロタwwwwwwwwwwwwwwwwwww)(うま速:キンカメ2歳牡馬三強が凄すぎる!)。
さらには、次走をG1・朝日FSと決定した事で盛り上がりも加速します。なぜならば、朝日FSは名手武豊騎手が唯一勝利したことのないG1レース。ついにその最後の1ピースが置かれるのかーー周囲の期待は高まるばかりでした(うま速:武豊がついに朝日杯FSを勝つチャンスが来た!)(うま速:[朝日杯FS] 武豊「正直、なんとかしたいです」)。
前走で完封したシュウジは2番人気ではなく3番人気。2番人気には、デビュー2戦目の馬……リオンディーズがいました。
リオンディーズの母はシーザリオ。つまり、エアスピネルの母、エアメサイアのオークス勝利を阻んだ馬です。周囲は同期牝馬の子供同士が戦う事でも盛り上がります(うま速:【朝日杯FS】リオンディーズ対エアスピネル)。
……そして。勝利の女神が微笑んだのは、リオンディーズでした(うま速:[朝日杯FS] リオンディーズ強すぎワロタwwwwww)。
上位2頭が他を圧倒したレースだったため、エアスピネルの評価も上がるには上がりましたが、それでもタイトルを逃してしまった事には変わりありませんでした(うま速:アンカツ「エアスピネルは完璧な競馬しとる。リオンディーズは『超大物』と言い切れる」
しかし、パートナーの武豊騎手をはじめとした関係者は、落ち込んで歩みを止める事はありませんでした。次は、チャレンジャーとして、リオンディーズを倒す、と。(うま速:武豊「この借りは、来年のクラシックで必ず返しますよ。」
これで、彼の2歳シーズンが終わりました。



そして年明け1戦目、陣営が選んだのはライバル・リオンディーズも出走するG2弥生賞。別路線からもマカヒキが参戦し、4強のうちの3頭がここで顔合わせをする事となりました(うま速:【伝説の弥生賞】リオンVSエアスピVSマカヒキ)。エアスピネル陣営は自信を覗かせていたものの(うま速:エアスピネル陣営「リオンディーズと再戦?逆転できると思います」)、結果は3着。エアスピネル自身4着には5馬身という圧倒的な差をつけてはいましたが、ライバルたちがあまりにも強力過ぎました。
あの名手武豊騎手をもってしても、「不思議な感覚」「普段なら勝てるレベル」との言葉が漏れ出たほどです(うま速:武豊騎手「今年の3歳馬は超ハイレベル。普通ならエアスピネルが楽勝してるレース」)。

 

しかし、本番での逆転は大いにあると、武豊騎手も陣営も希望は失ってはいません。
精神面での成長をを遂げたというエアスピネル。これまでよりもさらに充実した走りが期待できそうです(うま速:[皐月賞] 名手・武豊、エアスピネル弥生賞3着に手応えを感じていた「逆転不可能じゃない」)。

 

注目ポイント③
「名手武豊」

 

先述したように、エアスピネルの一族には活躍馬が多くいます。その代表格のエアシャカールの主戦ジョッキーは武豊さんでした。そして、エアスピネルの母、エアメサイアに至ってはデビューから引退まで全て武豊騎手がパートナー。つまり、武豊騎手ゆかりの血統というわけです。この一族の得手不得手を熟知した名手が狙うのは、ビッグタイトルではないでしょうか。それに向けた、レースを通じての教育が本番で花開く可能性は大いにあります。

エアスピネルのおじ、エアシャカールも弥生賞での敗北を乗り越え、武豊騎手を背に皐月賞を制覇しています。
エアスピネルのチャレンジは、まだ始まったばかりです。



文・オガタKSN