役に立つか分からない繁殖牝馬のお話し

 

今回は、輸入繁殖牝馬の関わりについて考察していきたいと思います。

輸入繁殖牝馬は、優秀な馬を発掘(POG、一口馬主など)するための指針として非常に重要です。

ぜひ、POGシーズンに向けてご参考にしていただけたら、と思います。

 

さて、馬の血統を支配している要素を大まかに示すと父(1/2)母父(1/4)母母(1/4)になります。

父、母父は3/4を占める大事な要素ですが、今回はあえて残りの1/4以下の母母部分について掘り下げていこうと思います(血統表でいう下1/4部分)。

父、母父の3/4部分はあくまで外観的なものであり、その外観に対して中身をいかに伴わせていくかが母母内の潜在能力に委ねられているもの、というのが私のイメージする血統のあり方です。

では、1/4部分(母母)にどのような馬を当てはめれば『優秀な馬』を作れるのか?簡単にこの疑問を解決させるとするなら母母部分に『名牝』を持って来れば良いということだと思います。

『名牝』とは、つまりは『名繁殖牝馬』のことですが、とても曖昧な言葉だと私は思っています。人それぞれ競馬の見方、個人の持つ血統理論により『名牝』の定義は様々に変わるからです。ここでは私の『名牝』理論を展開いたします。

 

 

日本には、この名繁殖牝馬となる馬たちが集う、2つのレースがあります。それは「イギリスの『1000ギニー』を範として、最もスピードのある優秀な牝馬の選定、および優秀な繁殖牝馬を発掘するためのレース」である桜花賞と、「桜花賞がスピードに秀でた牝馬の選定に対して、スピード、スタミナを兼ね備えた牝馬、繁殖牝馬の選定」と位置付けられたオークスの2レースです。

現在、日本の競馬はスピード化傾向が強く、繁殖牝馬に求められているものが『スピード>スタミナ』になっているところから母母以下部分には季節的にもタイムリーな桜花賞馬を持って来れば優秀な馬発掘するための近道であると思われます。

もちろん、中には繁殖に上がれなかったり、後継牝馬を残せなかったりした桜花賞馬もいますが、それを差し引いても素晴らしい成績を上げていると言えるでしょう。さらには「桜花賞馬は桜花賞馬から」といった風に、エルプス→テイエムオーシャン(2代目)、ベガ→ハープスター(2代目)のような例もあります。


では、輸入繁殖牝馬に目を向けて見ましょう。

先ほど出てきました『(英)1000ギニー』というレースですが、そもそも桜花賞がモデルとしているレースでです。その母母以下部分に英1000ギニー馬を含む繁殖牝馬を持ってこない手はありません。ましてヨーロッパ各国から猛者たちが集まってくるレースですし、日本の狭い土俵で行われている桜花賞よりもレベルが高いはずです。

実際、『英1000ギニー馬』を先祖に持つ質の良い繁殖牝馬は何頭か輸入されてきています。

英1000ギニーの勝ち馬と照らし合わせて、その子孫たちの日本での活躍を紹介していきたいと思います。

※英1000ギニー馬との関係性を明確にするために直近の母名は省略させていただきます。


重賞勝ち馬に限定しています。赤色がダービー期間内重賞勝ち緑色が2014産注目馬

こうして並べてみると3代目以降の産駒の方が実績を上げているのが分かります。

最近日本に入ってきている子供の馬はまだ2代目と、私に言わせれば「熟成が足りていない」ので、熟成度、頭数を考えるとミエスク系が一番の旬ではないでしょうか?またハイクレア系でもロカ(ジュベナイルF1人気)などが現れたり衰えたところは感じられません。

ジュンドルボンのように何かをきっかけに出世するような馬も潜んでいます。今回は重賞勝ちに限定しましたが重賞連対クラスも多数存在します、今後血統内に1000ギニー馬がいる馬、1000ギニー馬を先祖にもつ繁殖牝馬を見つけたら注視した方がよいかもしれません。

 

英1000ギニー馬だけでこの活躍の数です!世界には春の3歳限定マイルGⅠ(1000ギニー)は沢山あります。

メジャーどころの愛、仏1000ギニー、南米の亜、智1000ギニー、個人的に最も熱い伊、独1000ギニーと数多くの種類の馬が日本に取り入れられています。

次回はそういった、他1000ギニー勝ち馬とその子孫たちを紹介できればと思っています。

 

文・サッポロノパンヤ

写真・ウマフリ編集部