ビギナーさんと楽しむ!東京競馬場ツアー①

第一回 競馬場への道のりを楽しもう

薄汚れた競馬場にはタバコの臭い。
馬券を握りしめたおじさんたちの怒号が響く――。

 

競馬のイメージを尋ねるとそんな回答が返ってくることがあります。
その度にわたしは「この人を競馬場に連れていきたい」と思い、実際その何人かは連れていきました。
そして、競馬場を初体験した人たちは皆、声を揃えてこう言います。

 

「想像と全然違う!」

 

予想を良い意味で裏切られた時、人はキラキラと楽しそうに瞳を輝かせるものですね。
それを見て、わたしはいつも「してやったり」とニンマリ顔になってしまいます。
競馬に対するあまり良くないイメージを払拭すること。
それはとても快感で、何度も繰り返しているとまるで自分の使命であるかのようにすら思えてきます。

 

今回お話する競馬場ツアーも、そういった意味では成功だったとはじめにお伝えしておきましょう。
2016年4月23日、土曜日。
待ちに待った東京開催初日を迎え、友人と連れ立って足を運んだ東京競馬場。
競馬初心者をどうエスコートするか、悩みに悩みました。
「こんな楽しみ方もあるんだ!」と、ビギナーさんと一緒ならではの競馬場体験を感じてくだされば幸いです。

 

まずは、簡単にわたしのことを話させてください。
小学校の宿題で馬の絵にゼッケンを描くような筋金入りの競馬好き。
競馬歴だけは長い30代既婚、一児の母です。
最愛馬は後にも先にもステイゴールドただ一頭。
現在はステイゴールド産駒を「うちの子」と呼び、応援し続けています。

 

そんなわたしに今回同行してくれたのは、競馬は全くの初心者であるKさん(30代男性)、ゴールドシップで競馬にハマったYちゃん(20代女性)でした。

 

待ち合わせは、少し遅いスタートで11時の新宿駅。
京王線で府中競馬正門前駅へと向かいます。
東京競馬開催の土日は、時間によっては東府中にも特急が止まってくれるのでとても助かります。
ただ、乗り換え検索には反映されていないことが多いと思うので、その場で臨機応変に利用出来ると便利です。

 

電車内は比較的空いており、座れはしませんでしたがぎゅうぎゅう詰めになることもありませんでした。
Yちゃんと好きな馬についてお喋りをしたり、Kさんの奥さんが2番の馬が勝つ夢を今朝見たらしいという話を聞いたり。
わたしたちはそれぞれの競馬場への想いを胸に、これから過ごす楽しい時間を想像し、期待していました。

 

わたしは、とにかく競走馬が見たい一心でした。
目の前で競走馬が全力で走っている姿を、あの4コーナーから迫ってくる馬群を生で体感したい。
テレビでは味わうことの出来ない感動が、競馬場には存在しています。
それを感じることが出来れば、わたし個人の今日の目的は達成と言っても過言ではありません。

 

もちろん、YちゃんとKさんの二人に競馬を楽しんでもらうことが一番の目的です。
前日夜は競馬予想よりも、どの順番でどこに案内しようかと長い時間悩んでいたくらい。
今日のエスコートは考えに考え抜いたものなのです。

 

だから馬券は二の次でしたが、少なくともこの時点では負けることなど考えてはいません。
悪くてもトントン、一回くらいは的中するだろう。
そんな根拠のない自信は、一体どこからやってくるのでしょうか。
その自信が吉と出るか凶と出るか。
結果は、また追って報告したいと思います。

 

そうこうお喋りをしているうちに、府中競馬正門前駅に到着。
改札を出ると、そこはもう東京競馬場の入り口です。
「駅と繋がっているんですね!」と、Kさんが感嘆の声を上げます。

 

わたしは早速、毎度お決まり、競馬場入り口の看板を撮影をしました。
今回は開幕週だったからでしょうか「Welcome to Tokyo Racecourse」という看板でした。
いつもは直近に開催されるG1レースの告知看板であることが多いので、少し珍しい気持ちを抱いたのを覚えています。


そして入場券200円を購入し、ついに場内へ。
東京競馬場の綺麗な建物に圧倒されているKさんと、それを横目にニヤニヤしているわたしとYちゃん。
Kさんはとにかく見るものすべてが新鮮な様子で、わたしたち競馬ファンが普段気にも留めないような場所の写真を撮っていました。
手入れの行き届いた美しい花壇とか、ちょっと不気味な顔の騎手の置物とか。
そこに着目するのか、とわたしも興味深く感じました。

 

ウロウロしていると、早くも時間は12時近くになっており、競馬はお昼休憩の時間。
わたしたちはゆっくり場内を散策しながら、競馬博物館へと向かいました。
YちゃんとKさんにどうしても見せたいものが、博物館にあったのです。

To be continued...

文と写真・笠原小百合