インタビュー「アメリカへの競走馬輸送①」

ラニの遠征で俄然注目度が高まっているアメリカ競馬。

アメリカの三冠すべてに出走という快挙が見られたのも、スタッフならびに関係者の方々のたゆまぬ努力の結果だろうと思います。

「輸送後も元気いっぱい!」という報道が多くあったラニですが、きっとそこには様々な方のご尽力があってこそなのでしょう。

今回はその「アメリカへの競走馬輸送」について、スポットを当てていきます!

今回お話を伺ったのはU.S. EQUINE.INCにお勤めの沼本さん。アメリカに8年在住し、競走馬の海外輸送を中心としたお仕事をなさっている方です。

輸送に対しての知識はゼロに等しい、わたくし「タチバナ」の質問に、丁寧に答えていただきました!

(以下、タチバナ=沼本さん=)


まず、私が気になっているのは「そもそも輸送ってどんな飛行機でするの?」という点。まあ、飛行機といえば……やはりあの会社かあの会社⁉︎

とりあえず、質問してみます。

 

タ:「えー、輸送ですが、JALとANAのどちらを使ってるんですか?」

沼:「当社は米国から日本へは、貨物専用の航空会社を使用しています。JAL・ANAではありません(笑)」

タ:「(少し照れながら)ですよね!だと思っていました!はい!あ、そうだ、そういう飛行機ってチャーターなんですか?」

沼:「いえ、他の輸出物との混載となります。チャーターだと天文学的な数字になると思いますね」

タ:「て、天文学的な数字……!そうなんですか。そんなもんなんですね。馬主さんだからといって湯水のごとくお金を使えるわけではないですもんね……。あ、でも、他の輸出物と一緒って事なら、すごーくお買い得価格で済んでいるワケですか?」

沼:「いや……条件によって変わるので一概には言えませんが、普通のサラリーマンの平均年収は軽く超えると思います(笑)」

 

そ、そんなに……。やはり、生半可な気持ちでは海外への出走はかなわないわけですね。そう考えると、どんな馬の挑戦も尊いものですね。

アメリカの広大な国土を考えると、転戦はさらに大変そう。

 

タ:「もしや、アメリカの国内戦でも、輸送に飛行機が使われる事はあるんですか?」

沼:「あります。例えばサンタアニタ競馬場にいる今年のダービー馬・ナイクイスト等は、ケンタッキーまで空輸です。アメリカ大陸の真ん中より少し東のチャーチルダウンズから、ニューヨークのベルモントパークまでも距離があったので、今回のラニ陣営は空輸の選択をされました。ただ、5時間前後の距離であれば、トラック輸送も普通にあります」

タ:「国内でそれほど頻繁に空輸を……!それは大変そうですね。日本はまだ小さいぶん、国内輸送は気軽に出来るのかもしれません。あ、そうだ。日本からアメリカに輸送する時って何人くらいの人が関わるものなのですか?意外と少なかったりして……」

沼:「そうですね……人数では何とも言えませんが、最低6社前後は関わるはずです。そこに各社最低2~3名は携わるとお考えいただければよいのではと思います」

タ:「あぁ、やはり多くの方々が協力しあって実現するものなのですね!開催側からのサポートはあったりするものなんでしょうか?」

沼:「遠征馬については、競馬場などもかなり頑張って、できる限りのサポートしてくれます。ただそれぞれの国に輸入に関するレギュレーションがあり、それにはどこでも従わなければならないので、100%思い通りにいくということは難しいのも事実です」

タ:「ふむふむ。やはり色々な壁もあるわけですね。検疫で一番大変な事はなんですか?すごく大変そうなイメージはあるのですが……」

沼:「そうですね。一定年齢になると性別に関係なく、あるテストを行わなければならないのですが、長い期間がかかるだけでなくミスも許されないので、それに関しては非常に気を使います。サンプルを送る1日という時間が惜しいタイミングがありますので、過去には遠く離れた研究所に飛行機で飛んで、直にサンプルを持ち込むときもありました」

タ:「じ、直に⁉︎すごいですね。まさに時間との戦いなわけですね……。馬の体調やレースの開催タイミングなどを絡めて考えていくと、さらに難易度の高さを感じられます。すごく感動です!」


さて、第一回はここまでです。

いかがだったでしょうか?

たくさんのお金や人を動かす情熱、それはラニをはじめとしたサラブレッドに対する期待からくるものなのかな?と思いました!

本当に色々な方が支えているからこそ、私たちも日本から応援できるのですね!

 

さて、第二回は皆様お楽しみ(?)の、ラニについてのお話を伺っていきます!

ぜひお楽しみに☆

インタビューと文・タチバナ

写真・沼本氏提供