セントサイモンの悲劇から学ぶ~非サンデー系にも目を向けよう!~

都内で競馬を楽しんでいる大学生の三宅海羅です。
わたくしなりに日本馬の血統について、つたないながらも書いてみようと思います。

隆盛するサンデーサイレンス系

日本競馬では20年ほど前から、サンデーサイレンスという偉大な種牡馬の影響が色濃くなっています。
初年度である1995年から2007年まで、13年連続で日本リーディングサイアーを獲得。産駒のG1勝利数は75勝、産駒通算勝利数は2749勝という、とてつもない種牡馬成績を叩き出しました。

 

さらにはディープインパクトという偉大な三冠馬をはじめ、スペシャルウィーク、ダンスインザダーク、ステイゴールド、サイレンススズカ他、数えきれないほどの名馬も輩出しています。

 

その強さは孫世代にも明らかに伝わり、近20年のダービー馬のうち、なんと13頭がサンデーサイレンスの血を持つ馬となっています。
しかし、サンデーサイレンスの血が繁栄しすぎるのも、これからの日本競馬の問題となるかもしれないのです。

セントサイモンの悲劇

19世紀末、競馬発祥の地イギリスにセントサイモン(St. Simon)という名馬がいました。
 
セントサイモンは種牡馬として圧倒的な成功をおさめ、牡馬と牝馬1頭ずつの三冠馬(Diamond Jubilee、La Fleche)を輩出。ある年にはクラシックをすべて産駒で独占するということもあったそうです。
その血はやがて引き継がれていき、パーシモン(Persimmon)、セントフラスキン(St. Frusquin)という代表産駒を通じてセントサイモン系は隆盛を極めました。「セントサイモン系でなければサラブレッドではない」という言葉まで使われたほどです。
 
しかし、セントサイモン系は20世紀に入ると勢力が急速に衰えてしまいました。あまりの隆盛のため繁殖牝馬にもセントサイモンの血があふれ、セントサイモン系が種付けすることができる牝馬が極端に少なくなってしまったためです。(極端な近親交配を行ってしまうと虚弱体質の馬が生まれやすくなるとされており、生産者から嫌われる傾向にあります)

 

この状況は、今のサンデーサイレンス系と似通っているのではないでしょうか。

非サンデーサイレンス系に目を向けてみよう!

こうした血統の偏りを是正するには、他系統の力を借りるほかありません。実際に近年では日本競馬をリードする社台グループを中心に、チチカステナンゴやハービンジャーといったサンデーサイレンスの血を持たない種牡馬の導入や、日本であまり流行していない血統を持つ繁殖牝馬(ペルーサやサトノダイヤモンドの母が代表的)の輸入が進められています。
 

 

こうした非サンデー系統の種牡馬を少しピックアップしてみました!

ルーラーシップ  

 

父はダービーを圧倒的な強さで制したキングカメハメハ、母は日本を代表する名牝の一頭であるエアグルーヴ。近代日本競馬の結晶ともいえるような血統を持ちます。自身のG1勝ちは香港G1クイーンエリザベスカップのみにとどまるものの、たぐいまれなる能力の片鱗を見せてくれた名馬なので、種牡馬としても期待が持てます。実際に今年度より産駒がデビューしており、父の能力を彷彿とさせる産駒が現れ始めています。

アイルハヴアナザー  

こちらは輸入種牡馬の一頭。現役時にはアメリカ2冠(ケンタッキーダービー、プリークネスステークス)を達成している点がサンデーサイレンスを彷彿とさせ、期待が持てます。

 

こちらの産駒デビューも今年から。

ビッグアーサー  

こちらはまだ現役中の一頭となります。
父は日本を代表する名スプリンターであったサクラバクシンオー。その系統はテスコボーイ系といい、トウショウボーイや本馬の祖父サクラユタカオーという名馬を輩出した系統です。現在は少し勢いがなく、存続が危ぶまれているため、ぜひともビッグアーサーにはもっともっとG1戦線で活躍し、無事に種牡馬入りしてもらいたいと思います。

 

(余談ですが、筆者は某競馬シミュレーションゲームでサクラユタカオー系を確立させ、サンデーサイレンスを超える勢力にしたことがあります。笑)

まとめ

サンデーサイレンス系の馬はもちろん大好きなのですが、血の飽和のことを考えると少々行き過ぎていると感じます。
違った系統の馬が活躍するようになれば多様性が増し、より競馬が面白くなっていくのではないでしょうか?

 

皆さんは、どうお考えでしょうか。

文・三宅海羅

写真・ウマフリ写真班