強敵・ポストポンド

さて、今年もマカヒキの挑戦する凱旋門賞がいよいよ近づいてきた。個人的には日本馬の勝利を一刻も早く目にしてみたいものだが、毎回のように地元欧州から強豪馬が現れては悲願制覇を阻んでいる。本稿執筆でも今回の一番人気はイギリスのポストポンドか、フランスのラクレソニエールのどちらかと言われており、私は特に前者がマカヒキにとって最大の敵であろうと踏んでいる。成績やレース映像を振り返っても、ドゥラメンテを破った能力はやはり伊達ではない。そのポイントを以下に挙げる。

1 実績

通算成績は17戦9勝。うちGⅠはキングジョージ、ドバイシーマクラシック、コロネーションC,ヨーク国際Sの4勝、GⅡはグレートヴィルティジュールS、フォワ賞、ドバイシティオブゴールドの3勝。ほか2着と3着が3回ずつあり、掲示板を外していない抜群の安定感を誇る。2400mで十分な実績を上げている点でラクレソニエールを上回っており、距離実績では有力馬の中で最も優れているのではないだろうか。

2 脚質

今年はシャンティイのため予想しづらいのだが、凱旋門賞は総体的にスローに流れやすい。その点、本馬は好位に付けての先行抜け出しを得意としている。少なくとも脚を余す状態に陥るとは予想しづらい。

3 気性

映像を見れば確認できるが、本馬はドバイシーマクラシックでいちど出負けしたにも関わらずその後で好位に付け勝利したように、鞍上の指示に素直に従う賢さを備えている。本番で多少のアクシデントが起こったとしても、次善の対処ができる可能性が高い。

4 馬場適性

シャンティイを走った経験はないものの、高低差20mのアスコット競馬場で行われるキングジョージ(昨年)や、さらに高低差の大きなエプソム競馬場の、しかも不良馬場で行われたコロネーションCに勝利する一方、平坦コースのドバイシーマクラシックをレコード勝ちしている。当日の馬場状態如何を問わず能力は発揮できそうだ。

5 ローテーション

今シーズン4走のうち2走は春先のドバイ。のち1走は6月上旬のコロネーションC、前走が8月中旬のヨーク国際Sで本番まで中6週強と余裕のあるローテーションには好感が持てる。特に消耗の激しく、同一年の凱旋門賞を狙うに当たって鬼門のキングジョージを回避したのが大きい。同一年に両レースを制覇した馬は極端に少ないからである。

もちろん近走は右回りが少ないとか、斤量面で不利だとか、凱旋門賞の5歳以上の成績が優れない等の不安なデータもあるが、弱点の少ない馬であることは確かである。逆に言えば斤量やコース経験の差を活かし、滞在期間中に現地の環境に適応し、本番で最大限の能力を発揮できればマカヒキにも当然勝機はあると見ている。いちファンとしては健闘を祈るばかりである。
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文・シングーYK
写真・ラクト