凱旋門賞出走馬全馬紹介

いよいよ、凱旋門賞の出走が近づいてきた。

勝つのは欧州の古豪か、新星か、それとも日本からきた挑戦者か。

まずは出走馬を知らないことには始まらない。

レースの前に、今一度出走馬を見ていこう!

 

※ヨーロッパのレースは馬番(ゼッケンの番号)とゲートの番号が異なります。

 この記事ではゲート入りの順に各馬を紹介していきます。[ ]のなかの数字が馬番となります。


1[12]ヴェデヴァニ(Vedevani) 牡3

重賞未勝利での出走で、G1も初挑戦となる。現地でも人気・評価共に低調なものとなっている。それもそのはず、この馬はハーザンド陣営のラビット(ペースメーカー)としての出走なのである。

しかしラビットとして出走し、勝利する馬もいないわけではない。1875年にケンタッキーダービーを制したアリスティデスあたりが有名だろうか。無欲の大勝利を収めるのは、この馬なのかもしれない。

2[6]ザグレーギャツビー(The Grey Gatsby) 牡5

一昨年のフランスダービー馬。4歳以降はG1で好走を続けるも、2着どまりが多い。ピークが過ぎたと囁かれているが、久々のフランスでのレースで栄光を取り戻したい。

キングマンボ、サドラーズウェルズ、デインヒルという欧州の主要な血が多く含まれている馬。ここで再度輝きを見せて、なんとしても種牡馬としての魅力をPRしておきたいところ。

3[9]シルジャンズサガ (Siljan's Saga) 牝6

「最弱の凱旋門賞馬」の候補としてあげられる事の多いサガミックス。そのサガミックスを父に持つ彼女は、その汚名を少しでも晴らすべく3度目の凱旋門賞出走を決めた。

これまでの凱旋門賞戦績は12着(2014年)→8着(2015年)。しかし侮りは禁物。今年は5戦して4度掲示板に載っていて、本格化の日も近そう。過去2年より少しでも上の着順を目指して。ベテラン牝馬が「3度目の正直」を狙う。

4[7]シルバーウェーブSilverwave) 牡4

今年のサンクルー大賞勝ち馬。

昨年は3歳で凱旋門賞に挑戦も、10着と悔しい惨敗。

だが、長期の休養を経て、復帰後にはG1のガネー賞・イスバーン賞を2着・3着と好走。

さらには続くサンクルー大賞で、初のG1制覇。

そして凱旋門賞の前哨戦となるファワ賞も勝利を収め、今一番勢いのある馬かもしれない。

イスバーン賞→サンクルー大賞(1着)→フォワ大賞(1着)→凱旋門賞の流れはエルコンドルパサーも同じ。

本番でも勢いそのままに上位入線目指す。

5[13]タリスマニック(Talismanic) 牡3

フランスのNo. 1調教師・ファーブル師が送り込んできた1頭。同厩であるニューベイのラビットとしてではなく、自身の能力をしっかりと見せつけたいところ。

これまでG1勝ちはないが、フランスダービーでは4着、前走は同世代を相手に快勝と、地元3歳世代としては上位クラスをキープしている。ここで大物食いをして、一気に世代トップへと躍り出たい。

日本で活躍中のロジクライはいとこにあたる。

6[11]ハーザンド(Harzand) 牡3

アイルランドが輩出した世界的名馬、Sea The Stars。

そのSea The Starsを父にもつのがこの馬、ハーザンド。

イギリスダービーをあっさりと勝ち切って親子制覇を達成すると、その2週間後のアイルランドダービーも快勝。

歴史的名馬である父に、種牡馬としての名声も付与した。

だが、初の古馬との対戦となった前走・アイルランドチャンピオンSでは、まさかの8着。

不可解なほどの大敗ではあるが、ジョッキーが勝てないと思った時点で、次走のために力を温存したと考えれば合点がいく。

もし今回にピークをもってきているなら、地力は確実にトップクラス。

凱旋門賞でも親子制覇を狙える1頭である事に違いはない。

7[2]ポストポンド(Postponed) 牡5

今回の圧倒的主役の一頭。

しかし、才能が開花するまでには時間を要した。デビュー戦は敗北、重賞初制覇は8戦目。

G1を制覇したのは、デビューから丸二年以上経ってからのことだった。

その勝利も有力馬の回避によるものだという印象が強く、評価はすぐには高まらなかった。

彼の強さが広く認識されたのは、奇しくも日本馬のドゥラメンテを倒した事によるものだった。

ドバイシーマクラシック。すでに、日本ダービー馬は彼に一度敗れている。

気が付いてみれば、初めてのG1制覇から1年以上経つが、それからは6戦全勝。

挑戦者にとって、非常に高い壁であることは実績が示している。

8[1]ニューベイ(New Bay) 牡4

昨年の仏ダービー馬。

父Dubawiで、今回の主役ポストポンドとは同父となる。

父の代表産駒という地位を取り戻すためにも、今回の直接対決は敗けられないところ。

昨年は凱旋門賞で3着と、今回の出走馬のなかでは最先着を果たしている。3連覇がかかっていたトレヴに先着したのは大きい。

前走のアイルランドチャンピオンSでは4着と、仕上がりはまずまず。

地元に戻って、ダービー以来のG1タイトルを目指す。

9[5]ワンフットインヘヴン(One Foot In Heaven) 牡4

ディープインパクトの凱旋門賞挑戦は3着入線に終わったが、その時に2着だったのが「プライド」というG1を3勝した名牝だった。

その名牝・プライドを母に持つのが、この、ワンフットインヘヴン。母父は凱旋門賞馬パントレセレブル。

ここ2走はシルバーウェーヴに完敗しており評価も低調なものとなっているが、春には3連勝をしている重賞馬。秘めたる実力が爆発するのは今日かもしれない。

鞍上は日本でもお馴染みのC.デムーロ騎手。

10[15]サヴォアヴィーブル(Savoir Vivere) 牡3

ドイツダービー2着馬。前走はフランスのG2ドーヴィル大賞で勝利。

先行力が魅力で、凱旋門賞のペースを握る1頭になりそう。

前残りの展開ならあっという間にスターホースへの階段を駆け上がりそうな雰囲気をもっている。

祖母はSuivezという名牝で、その母系からはG1・6勝馬のスタセリタや、重賞馬であるSimoun、Silvanerなどが出てきている。

ドイツの名門牝系出身の誇りをかけて、フランスでの栄冠を目指す。

11[4]ハイランドリール(Highland Reel) 牡4

3歳春から第一線での活躍を続けてきた実績馬。

香港・アメリカ・イギリスの3カ国でG1を勝利している。フランスのレースは昨年のフランスダービー(2着)以来となり、G1勝利国を4カ国に増やしたいところだろう。

2400mは5戦して3勝と、自信のある条件。前々走で0.2秒差まで詰め寄ったポストポンドとの逆転を目指し、また、急遽回避となった全弟アイダホの想いも乗せて、全力の走りを誓う。

12[10]ファウンド(Found) 牝4

今、世界規模で「善戦」を続けているのがこのアイルランド出身の4歳牝馬。

18戦したうち、4着以下はたったの1レースのみ。距離も1400m~2400mまで幅広くこなしてきている。

ただ、G1となると、去年秋のアメリカ・ブリーダーズCターフでの勝利を最後に勝利から遠ざかっている。

現在はG1を5戦連続で2着という、ある意味目立つ結果である。

そのG1の勝ち馬たちのなかには、今回出走のポストポンドの名前も並んでいる。

通算でもG1では9回2着をとっていて、これを実力があるとみるか、足らないとみるか……。

唯一の着外は去年の凱旋門賞(9着)であり、今年こそ「善戦」馬の意地を見せたいところ。

13[3]ミグワール(Migwar) 牡4

これまで重賞は2度挑戦して未勝利。今回は約1年ぶりの重賞出走だが、G1となると初挑戦となる。今回のメンバー相手には、かなり見劣りする実績である事は確か。しかし、おじには、日本でも種牡馬をしていたルールオブローがおり、血統は悪くない。

これまでの8戦のうち、7度1番人気に支持されてきた事からも、周囲の期待は感じられる。名手ペリエが、デビューから全レース騎乗してきたという点も魅力だ。これまではどんな相手にも大負けはせずにやってきた。今回もその安定感を発揮したい。

この馬の実力を誰よりも知る名手が、何の秘策もなくただ出走するとは考えにくく、アッと驚く走りを見せてくれるかもしれない。

14[14]マカヒキ 牡3

説明不要の、日本ダービー馬。

ディープインパクトの正統後継者としての地位を得るためには、ここの勝利は手に入れたいところ。

最強世代との呼び声も高い世代の王者として、世界へ挑戦する。

父の敗戦から、ちょうど10年。

そろそろ日本馬が意地を見せても良いはずだ。

15[16]レフトハンド(Left Hand) 牝3

フランスの3歳牝馬。

仏オークスでは、無敗馬・ラクレッソニエールにかわされ惜しくも2着。

しかしその後はプシケ賞(G3)、ヴェルメイユ賞(G1)を難なく勝利。

自信の実力を示すとともに、ラクレッソニエールの強さをもアピールする結果となった。だが今回、そのラクレッソニエールは回避を表明。

無事出走に漕ぎ着けた者として何とか勝利を収め、強豪馬の物差しではなく、自分自身が主役としての道を歩み始めたい。

フランスの誇りを背負って、若き牝馬がターフに立つ。

16[8]オーダーオブセントジョージ(Order of St George) 牡4

長距離では現在世界トップとの呼び声が高い馬。

前走はぎりぎりのところで先行馬をとらえきれずの2着だったが、それまでは6連勝という安定感。

2600mより短いレースを走るのは久々だが、血統的には単なる長距離一辺倒の馬とも考えにくい。

長距離メインの戦績は日本人ファンからすると少し地味に見えるため、見落とされがちかもしれない。

だが、スタミナ勝負の流れになれば一気に主役に躍り出る事は確実。

いとこには日本で活躍したミッドサマーフェア等がいることからも、注目したい。


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