輸入新種牡馬、期待と不安

2017年に産駒がデビューする輸入種牡馬は、例年にも増して豪華な顔ぶれか揃っている。今回はそんな彼らの期待できる点と不安な点をあげていき、産駒デビュー前のおさらいとしたい。

■ノヴェリスト

主な実績:2013年キングジョージ6世&クイーンエリザベスステークス。他にサンクルー大賞など。

◆期待

・2013年キングジョージでは、ハービンジャーが持っていたレコードを大幅に塗り替えている。ハービンジャーの仔出しもそこそこであると考えると、日本特有の高速馬場にも適応できるのでは。

・今の日本競馬では、サンデーサイレンス系、キングカメハメハ(キングマンボ、ミスプロ系)の占有状態で他系統の血を入れていかなければならない状況であることから、そうした血をもたないノヴェリストは良血牝馬の確保がし易い状況。かなり有利な状況だろう。

血統表を見てみると、父系は日本ではあまり縁のない血統だが、母系にはノーザンダンサー等がいて、父系の重さを母系で打ち消しているイメージ。

◆不安

・これまで輸入された欧州種牡馬は沢山いるが、成功してる例があまりない。

当たったと明確に言えるのは、言わずと知れたトニービンくらいだろうか。 あとはダンシングブレーヴ(病気とはいえ日本に来たことが奇跡)もキョウエイマーチなどを出したので成功した部類に入るだろう。 

ラムタラ、エリシオなど名だたる名馬でも成功していないのは不安を大きくする。

・上記で高速馬場に対応もできるのではと書いたが、やはり血統面からの重さから厳しいのではという思いもある。ハービンジャーは辿ればダンジグ血統で軽さは持ってたので、コンスタントに出せる状況になっているのではとも考えられる。

◆まとめ

現段階では軽い血統の肌馬と相性が良いと考えているので、ミスプロ系の牝馬、ダンジグ系・ストームキャット系を血統背景にもつ牝馬たちと相性が良いのかなと思う次第である。

ドイツ血統は世界的にトレンドでもあるので、ノヴェリストを成功させたら日本競馬も一流国になったと言えるのではないだろうか?

日本競馬の血統に一石を投じる種牡馬になることを祈るばかりである。

■ヘニーヒューズ

主な実績:ヴォスバーグS.キングスビショップS(共に米国短距離ダート)

◆期待

・ヨハネスブルグ、サンライズバッカスが近親。モーニン、アジアエクスプレス、ケイアイレオーネ、ヘニーハウンドと、産駒は既に日本でも成功している。ダートの印象が強いがマイル以下なら芝もこなせる印象。

・早熟傾向にある血統の中でモーニンが出たことは、成長力がある裏付けにはなるのではないか。

・未来の話になるがストームキャット系になるので、牝馬が繁殖に上がった際のブルードメアサイアーとしての期待値も高いのではと思う。

◆不安

・やはり早熟系な血統なので2歳早めから3歳そこそこまででピークが過ぎる馬が多いのでは。成長力を補えるよう血統の牝馬が、配合相手としては欲しいところ。

◆まとめ

種牡馬としての潜在能力は高いだろうが、ヨハネスブルグと票の取り合いになりそう。しかも生産地からはヨハネスブルグの実績に対する評価も高いはず。今現在ではライバルが集めた牝馬よりもワンランク下がる、一発狙いの牝馬たちが集まってしまうのではという印象がある。

■ハードスパン

主な実績:キングスビショップS(米国7ハロン)

◆期待

・アメリカのダート馬の輸入種牡馬はヨーロッパの輸入種牡馬に比べ成功している馬が多い。大種牡馬サンデーサイレンスを筆頭にブライアンズタイム、エンドスウィープ(スイープトウショウ、ラインクラフトなど)、アジュディケーティング(アジュディミツオー、アジュディケーター)、トワイニング(ノンコノユメ)などが挙げられる。

・父にダンジグ、母型にアリダー、ヘイルトゥリーズンという日本で実績のある血を持っている。ダンジグ産駒のアジュディケーティング、ディンヒルも日本で活躍馬を出せているし、アリダーは日本であまり馴染みのない血統ではあるが、ゴールドアクターの母系に入っている。ヘイルトゥリーズンはサンデーサイレンス、ブライアンズタイム、リアルシャダイなど、大きな成功収めている。

このあたりを踏まえて考えれば、日本で全く成功しないと考えるのは難しい。

◆不安

・日本(中央競馬)の番組的にダート短距離が少ない。勝ち鞍を見る限り短距離が得意と予想できるので、母系から距離適性の補完をしないとレース選びが難しいのではと考える。

◆まとめ

条件が色々つきはするが、成功するのではと思っている。JBCスプリントを勝てる様な馬を出せるポテンシャルはあるだろう。血統的にサンデーサイレンス系の牝馬も合うと思うので、上手くハマれば芝のスプリント戦でも暴れてくれる産駒が出て来るはず。

■モンテロッソ

主な実績:ドバイワールドカップ(AW)

◆期待

・オールウェザーのドバイワールドカップをレコード勝ちという、潤沢なスピードを持っている馬ならではの戦績を持っている。ヴィクトワールピサが適応できた条件でのレコードホルダーということで、日本の馬場にも適応できそう。

・ヨーロッパでは父ドバウィが猛威をふるっている(世界の血統のトレンドは伝播する傾向がある。日本ではこれまであまりないが……)ので、その波に乗りたい。

・血統を辿ればシーキングザゴールドに遡る。シーキングザゴールド産駒は、日本でもシーキングザパール、マイネルラヴ、ゴールドティアラなど成功傾向にある。

・距離馬場も選ばず対応できそうな点。

◆不安

・血は薄まっているものの、遡ればキングカメハメハ同様にミスタープロスペクターに行き着くので、繁殖牝馬をある程度選ばないといけない。

・母系にサドラーズウェルズ、ネバーベンド等重い血統が入ってるので、そこが強く産駒に反映されると日本特有の高速馬場には向きにくくなるだろう。

◆まとめ

今回の輸新入種牡馬でも期待値の高い馬ではないだろうか。ドバイミレニアムの血がいよいよ日本で猛威を振るうのを期待する。

文・ysk.h08
写真・ウマフリ編集部