東京から日帰りで競馬を満喫?九州唯一のJRA競馬場 小倉競馬場・後編

基本的には冬と夏の約3ヶ月の小倉競馬場開催。

開催のない時期の週末は「パークウィンズ 小倉競馬場」として、各競馬場の馬券を発売しています。

しかしそれだけではありません。

前編でも述べましたが、平日の小倉競馬場は別の面で利用される事があります。

地震等の大規模災害発生時の拠点地として。

子供達の遠足の場所として。

様々な用途で利用される小倉競馬場ですが、それだけではありません。

皆さんがよく見ているテレビや映画業界でも、小倉競馬場……さらには北九州市全体に注目が集まっています。

■日本版ハリウッド?映画の街北九州 小倉競馬場もロケで利用

西島秀俊さんが主演したドラマ「MOZU Season1?百舌の叫ぶ夜?」、水谷豊さんが主演した映画「相棒Ⅳ」。

この2つの共通点は何でしょうか?

 

 

実はこの2つの作品は小倉競馬場で撮影されたものです。

「MOZU」では最終回での空港のシーン。

「相棒」ではオリンピックから帰国する選手団を迎えるシーン。

この2つは、開放感があり空港のイメージに合う小倉競馬場で撮影されました。

ちなみに客のエキストラは北九州市民です。

北九州市には「北九州フィルムコミッション」なる映画・ドラマの撮影の誘致・協力をする団体があります。

例えば、観光地での爆破シーンや空港でのハイジャックシーン。

 

これまで日本では不可能とされてきた大規模ロケを、団体・警察・市民の協力で実現可能としたのです。

小倉競馬場以外にも撮影スポットは様々。

「相棒Ⅳ」では市中心部の小文字通りという大通りを6時間封鎖し、パレード撮影のシーンを撮影しています。

「MOZU Season1」では、最初に発生した百貨店の爆破シーン……これは、北九州を代表するデパート「井筒屋小倉店」で撮影されています。

他にも岡田准一さん主演の映画「図書館戦争」は北九州市立中央図書館で撮影。

吉高由里子さん主演の「ロボジー」。これも小倉駅周辺で撮影されました。

ちなみに、ちょうど中京競馬の代替開催で小倉競馬場が実施された頃、小倉競馬場で吉高由里子さんを見かけた事があります。

競馬が終わり、帰りの飛行機に接続するバスを待っている間に、ロケ地巡りをするのも日帰り旅行で実現可能です。

■バス待ちの間にグルメを満喫

かつて、武豊騎手がとあるインタビューで「小倉にある寿司屋で美味しい所がある」と仰っていました。

(冬の開催限定ですが)フグ、玄海湾で獲れた新鮮な魚、「神戸牛よりも希少価値がある」と言われる小倉牛。

京都の老舗料亭でも使われる合馬(おうま)のタケノコ。

政令指定都市でありながら自然にも恵まれた北九州は、食の宝庫でもあります。

「でも、ユタカさんが行く店だから、お値段も高いでしょ?」という方もいらっしゃるでしょう。

確かに馬主や競馬関係者が行かれるような店(モノレール平和台駅の東側にある鍛冶(かじ)町、堺町の歓楽街辺りでしょうか)は高いお店が多いものです。

しかし、小倉には一人2,000円あれば満足できるお店も多くあります。

小倉の繁華街の1つである魚町銀天街と京町商店街。日本で初めてのアーケード型商店街の中に、京寿司小倉店という回転寿司屋があります。

「わざわざ旅行先で回転寿司屋?」と思われる人が多いでしょう。しかし、この店の姉妹店である門司(もじ)店は、某口コミ投稿サイトの回転寿司部門で3年連続1位に選ばれたほどの店です。その姉妹店ですので、当然この店にも期待が持てます。

店は広くはありませんが、店員さんに直接声を掛けて注文すれば、その場で魚を捌き握りたての寿司を食する事ができます。

1皿120円からの寿司に加えてビール等を注文しても、注文したネタにもよりますが、2000円前後で済むのではないでしょうか。

もし、京寿司が混雑していた際には、駅ビルの「アミュプラザ小倉」の6階「廻転寿司 平四郎」や、小倉の台所である「旦過(たんが)市場」には立ち食い寿司などがあり、玄海灘等の海に面した北九州ならではの寿司を満喫できます。

 

また、名物はお寿司だけではありません。

世界遺産に選ばれた八幡製鉄所もある北九州。この鉄を使った鉄なべ餃子は北九州名物の1つであります。

新幹線口の駅ビルの「小倉エキナカひまわりプラザ」を始め小倉に3店舗ある「小倉 鉄なべ」。

他にも「秘密のケンミンSHOW」で取り上げた「娘娘(にゃんにゃん)」のチャーハンなどもあり、お財布に優しいグルメが楽しめる街、これが北九州です。

 

ここまで、どちらかといえば男性向けの料理をご案内してきましたが、女性が喜ぶようなお店もございます。

小倉駅から15分程度歩きますが(競馬場から帰る際は2つ前の旦過駅で下車)、旦過市場正面にあります「フレンチ イタリアン ユキオントコ」。

ここのオーナーは東京のビストロ「ル・プティ・トノー」や「ビストロマルセイユ」などで修業した経験があります。

夜は予約が取り辛い店ですが、2名以上事前に予約しますと、3500円からのコースが楽しめます。

私も一度伺いましたが、同伴者の「2人で6,000円以内」というリクエストにも応えてくださいました。

なお、この店ではランチもありますが、ランチであれば1,000円で楽しめるでしょう。

更に2017年7月、新しいスポットが誕生しました。

110年続いた呉服店が閉店し、そのビルを立て直してオープンした「魚町ヒカリテラス」です。

3階建てのビルに九州初上陸となる店舗など、お洒落な料理が楽しめます。屋上には「ルーフトップ・バーベキュースクエア」なるものがあり、目の前に流れる紫川、工場から放たれる夜景を見ながらの食事も楽しめます。

あとは最終のバスに乗って東京へ帰る……これも醍醐味の1つではないでしょうか。

■甘いものは別腹?ダウンタウンの番組でも取り上げた小倉のパンと大福

最近の福岡地方のテレビ業界は、東京で有名なタレントが福岡で番組を持っている事が多い印象です。

例えば、朝の情報番組に石原良純さんがレギュラーで登場。最近ではロンドンブーツの田村淳さんや歌手の前川清さんが福岡限定でのレギュラーを持っております。

 

不定期で放送されていますが、ダウンタウンの松本人志さんが福岡限定でやっている番組「福岡人志」。

この番組で取り上げられたパンは北九州の誰もが知っているパンがあります。

小倉駅小倉城口から魚町銀天街に向かって歩く際に見えてくる、「シロヤ」というパン屋。

ここのサニーパンは小さめのフランスパン生地に練乳が入った物です。

1個90円というお手頃価格で、時間帯によっては売り切れる事があります。

後述される小倉に新設された球技場のプレオープンマッチとなるラグビーの試合では、深夜バス等で来たファンたちのツイートの中に「まずはサニーパン」など、サニーパンに関するツイートが多く呟かれましたことを記憶しています。

ダウンタウンと言えば、ダウンタウンDXでゲストがお薦めの一品で紹介する企画。

この企画で大きな反響があったのが、東幹久さんが紹介した「なごし」という和菓子店の星野村抹茶生大福(190円)。

なごしの本店は門司港と小倉から列車で20分近く掛かりますが、先程「MOZU Season1」で、百貨店の爆破シーンで取り上げた「井筒屋小倉店」の地下にも「なごし」は店舗を構えております。

食べたいと思ってはいたものの、なかなか食べる機会がなかった私。今回、取材のために購入し試食してみました。

卓球玉の大きさの大福の周りを覆う抹茶のパウダーで、一口でも食べられるサイズです。

そして、餅がとろける様な食感。

中身のあんこの甘さを包み込む抹茶パウダー。

「大福ではなく、スイーツ。そして、甘いものが苦手な人でも食べられる、大人の大福」これが正直な感想です。

他にもカマンベール生大福やココアプリン生大福、夏になると限定商品の夏ミカンやマンゴーなど様々なレパートリーがありますので、お土産などにも向いているのでは。

なお、井筒屋は土曜は20時まで、日曜は19時までの営業となっております。

 

他にも色々と紹介したいスイーツ類がたくさんあります。が、スペースの都合もありますので、あとは皆さんが小倉に来た際に、ご自身でお気に入りの店を探していただけたらと思います。これもローカル競馬場巡りの楽しみではないでしょうか?

■地価高騰の原因はサブカルとスタジアム?新幹線口が熱い

福岡市は空港にも近く、さらには九州新幹線開業で九州内のアクセスが良くなったなど、一極集中ともいえる発展を遂げています。

一方で北九州市は、2005年には政令指定都市の1つの目安であった人口100万人を割り、中心地の魚町の地価が24年連続で下落しています。

他にも人口に占める割合で65歳以上の比率が政令指定都市で一番。暴力団の存在で治安のよくないイメージもあるかもしれません。

 

しかし先日の地価公示で魚町の1坪当たりの単価が25年ぶりに上昇に転じました。繁華街の魚町の地価が上昇した原因、実は商業の発展とは違う分野にあります。

小倉城口と呼ばれるところは商業施設が発展しており、一方で新幹線口は海に面していて、工場が立て並び、空き地が多いです。その新幹線口がここ数年で変化しました。

変化のきっかけとなったのは2012年に誕生した「あるあるCity小倉」。ここはアニメ、マンガ、コスプレなどの

「サブカルチャー」に特化したテナントが集うビルで、その5階と6階にあるのが「北九州市漫画ミュージアム」という、北九州市が作った漫画に特化した美術館です。

実を言うと、北九州市は多くの漫画家などを生み出した街です。「Cat‘s Eye」、「City Hunter」の作者北条司氏、それまでの漫画の常識を覆したグラフィックデザイン風のレイアウトで注目を集めた、わたせせいぞう氏。そして、この美術館の名誉館長でもある「銀河鉄道999」等の松本零士氏。小倉駅新幹線口前にはメーテルと鉄郎の像等が並んでいます。

館内は約5万冊の漫画が館内で読む事ができます(貸し出しは禁止)。

さらには漫画の歴史、地元ゆかりの漫画家、松本零士さんのコーナーが常設。

漫画の描き方などなどを教えるコーナーや期間限定の特別コーナーなどがあります。

7階には2017年5月にオープンした「あるあるCityホログラムシアター」。ホログラムと呼ばれる映像出力と5.1インチのサウンドで、目の前にアーティストがいるような体験ができます。

 

そして、2017年2月にサッカー、ラグビーなどの球技専用スタジアム、「ミクニワールドスタジアム北九州(以下、ミクスタ)」が新築。

これが魚町の土地単価を上げる要因と考えられます。スタジアムによる賑わいが取り戻せると読んだ投資筋が投じたのでしょう。

 

北九州市にはJリーグのクラブ「ギラヴァンツ北九州」があります。今までは、北九州市の西部にある「本城陸上競技場」で試合を行ってきました。

しかし、本城陸上競技場の観客席が1万人。これはJ2チームがJ1昇格時に必須となる「1万5千人以上のスタジアムを有する」事に抵触していました。

J2で自動昇格の2位、昇格プレーオフの6位以内に入っても昇格、プレーオフ参加する事さえできなかったのです。

ミクスタの建設は、そうしたギラヴァンツがJ2に昇格してからの悩みの解決策となることが期待されました。

スタジアムを作るための費用と税金投入を抑える方法、拠点となる場所の選定などに時間が掛かり、

その間に三浦泰年監督(当時)など多くの選手の移籍でクラブ存亡の危機がありました。

 

2013年に、柱谷幸一氏が監督に就任。寄せ集めで集めた選手達でチームを再生。

同時に当初計画していたバックスタンドを屋根なしにするなど、当初の2万人規模のスタジアムから1万5千人のスタジアムに縮小すると決定。

2014年、J2で5位に入りましたが、スタジアム未完成のため、昇格プレーオフに進出できませんでした。

2015年4月にようやく着工し、2017年の1月に完成しました。

しかし、肝心のギラヴァンツが2016年のJ2で最下位になり柱谷氏は辞任。J3へ降格となってしまいます。

 

2月にこけら落としの試合としてラグビーのスーパーラグビーに参戦している日本の「サンウルブズ」と日本のトップリーグの選手たちによるチャリティーマッチが開催。スタジアムに入った瞬間、観客からは

「手を伸ばせば選手と握手ができる位の近さ」

「こんなスタジアムができるのを待っていた」

などの驚きの声があがっていたのが印象的です。スタンド最前列からタッチライン・ゴールラインまでの距離は8m、フェンスの高さも65cm(ピッチからは1.2m)しかなく、最前席では選手の目線で試合が見られる構造となっています。

サッカーファン、ラグビーファンにとっては理想的ともいえるスタジアムではないでしょうか。

 

しかし、問題はバックスタンドに屋根がなく、海に面しているという構造。そして、事件が発生しました。

選手が蹴ったラグビーボールが風に乗って海に落ちてしまったのです。

これが記事になり、「海釣り禁止を掲げるスタジアム」、「海にボールが落ちる可能性があるスタジアム」と別の意味で有名になりました。

また、ラグビーではオリンピックの正式種目となっている「7人制ラグビー」。この7人制ラグビーの女子部門で各国を回る

「HSBC ワールドラグビー女子セブンズシリーズ」。日本では2017年から3年間、「北九州セブンズ」の名称としてミクスタで開催されます。

写真の全てが今年の大会の模様です。そして、2019年のラグビーワールドカップに出場する強豪ウェールズ代表の大会前のキャンプ地としても北九州市が選ばれています。


北九州でもう1つ忘れていけない物は建築家の磯崎新氏との繋がり。

映画「図書館戦争」のロケにもなった北九州市立中央図書館、

松山ケンイチさん主演の映画「デスノート」など彼が手掛けた建築物が多数、北九州にあります。

ミクスタの隣にある西日本総合展示場もそのひとつです。

 

最終レースまで競馬を楽しみ、そのまま空港へ行きたい場合は直通バスへ。

少し街を楽しみたいのであれば、直接モノレールに乗って10分で中心地に着く。

そこで街を満喫しながら、19時40分発の北九州空港行きバスに乗れば、その日のうちに東京に帰る事ができる。

これも、小倉競馬場の醍醐味の1つでしょう。

 

いかがでしたか?九州にある唯一の中央競馬場の小倉競馬場とその周辺。

レースのレベル等で言えば札幌や新潟に劣るかもしれませんが、1日で競馬、観光、グルメなどを満喫できるのは大きな魅力名はずです。夏の開催期間中は「わっしょい百万祭り」が小倉中心部で開催。

関門海峡を挟んで合計1万5千発が打ち上げられる「関門海峡花火大会」も、隣の門司港周辺で開催しています。

他にも色々と載せたいのですが、ネタ切れも起きそうなので、まずはこの辺で。

小倉競馬場で、皆様のお越しをお待ちしています。

 

文と写真・おかのひろのぶ

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