レーティングからみたオークス

競走馬の能力を数値化したとされている『レーティング』。

もちろんこの数値が競走馬の能力をすべて表現できるものではない。

しかし本記事ではその『レーティング』を指標値として、2001年~2017年と日本競馬がどのような変化を遂げてきたか、確認していきたい。

今回の対象レースは三歳牝馬の祭典「オークス」だ。

■レースレーティングについて

まずはレースレーティングから分析していく。

2001年~2010年の間のレースレーティング平均値は107.05。

対する2011年~2017年の平均は108.96であり、1.91ほどの上昇を記録している。

 

最大レースレーティングを獲得したのは2014年度で、110.5という評価だった。

2014年オークスの勝ち馬はヌーヴォレコルト

2着はハープスターで3着はバウンスシャッセである。

上位人気3頭がクビ差クビ差で決着したレースで、タイムは2.25.8。

優勝馬のヌーヴォレコルトはその次走のローズSで勝利し、G1制覇はなかったものの15年中山記念ではイスラボニータ・ロゴタイプら牡馬を相手に勝利している。また、16年には渡米しG3・レッドカーペットHで勝利をあげている。

様々な舞台での活躍を見せた名牝と言えよう。

2着馬のハープスターのオークス次走は勝利。札幌記念で3歳牝馬ながら牡馬を相手取った勝利で、相手にはゴールドシップやロゴタイプなどがいたことからも強さを示したレースと言える。

3着馬バウンスシャッセは桜花賞ではなく皐月賞からの挑戦であった。オークスの次走以降は不調が続いたものの、翌年には持ち直して重賞で2勝をあげてから引退している。

 

レースレーティング2位は110.25の2016年、シンハライト勝利のオークス。

2017年ソウルスターリングのオークスが110、2015年ミッキークイーンのオークスが109.25と続く。

上位4レースが2017年~2014年の4年間であることが、日本競馬のレベル向上を示しているのではないだろうか。

 

逆に1番低調な評価だったのは2004年オークス。

1着のダイワエルシエーロだけでなくスイープトウショウ(2着)やダンスインザムード(4着)といった実力馬が出走しているレースであったが、105という評価に留まっている。ダイワエルシエーロは次走のローズSで7着に沈んだものの、引退までに重賞を2勝して実力を示している。

他に低調な評価だったのは2002年スマイルトゥモローのオークス(106)や2007年ローブデコルテのオークス(106.5)などであった。

■勝ち馬レーティングについて

勝ち馬につけられたレーティング最高値は115。

2012年のジェンティルドンナと2017年のソウルスターリングである。

 

2012年勝ち馬のジェンティルドンナは牝馬三冠を獲得した歴史的名牝である。

特筆すべきは、レースレーティングとの乖離だろう。

各年の勝ち馬レーティングとレースレーティングの差は、平均すると2.98である。しかしその中で圧倒的な差をつけているのがジェンティルドンナだ。その差はなんと8。5馬身離された2着ヴィルシーナはレーティング105だったことからも、その圧倒的な強さが伺える。

 

一方のソウルスターリングもやはり突出した走りという評価で、レースレーティングとの差は5となっている。

こちらは2着のモズカッチャンも111という好評価で、例年のオークス馬級の値を獲得していた。

 

勝ち馬レーティングの3番手は2009年ブエナビスタで、レーティングは113。

レースレーティングと比べ、上位馬が2012年、2017年、2009年とある程度ばらけている。

しかし平均値を見ていくと2001年~2010年の109.7から2011年~2017年の112.4と2.7上昇していて、それはレースレーティング向上よりも著しい向上となる。

開催年度 勝ち馬レーティング レースレーティング タイム
2017 115 110 2.24.1
2016 112 110.25 2.25.0
2015 112 109.25 2.25.0
2014 112 110.5 2.25.8
2013 111 107.5 2.25.2
2012 115 107 2.23.6
2011 110 108.25 2.25.7
2010 111 109 2.29.9
2009 113 109 2.26.1
2008 109 107 2.28.8
2007 108 106.5 2.25.3
2006 109 107 2.26.2
2005 109 107.25 2.28.8
2004 109 105 2.27.2
2003 110 106.75 2.27.5
2002 109 106 2.27.7
2001 110 107 2.26.3

■総括

2001年から2017年にかけて、どちらも上昇傾向にあるのが現在の日本競馬界の成長を表しているのではないだろうか。

特に『スターホース』が1頭いればハネあがる勝ち馬レーティングではなく、レースレーティングそのものが著しく向上していることが印象に残る。

気が付けば、各競馬先進国といえる国々の大レースで日本馬が良績をあげるのを目にする機会も増えている。

世界レベルの名馬をこれからも輩出し、世界一素晴らしいオークスを目指して欲しい。

 

これも全ては、競馬界に携わる多くの関係者さまによる努力の賜物である。

その事実に感謝しつつ、この上昇曲線がさらに長く・さらに高くなっていくことを、私は信じてやまない。

文と写真・横山オウキ

 

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