なぜ馬主になろうと思ったのか、どのようになったのか

あなたも地方競馬の馬主になりませんか?

僕は現在32歳で、東京で昨年の夏(2016年)に起業し、小さい事業ながら経営者をしています。

「なぜ馬主になろうと思ったのか?」

僕の実家は兵庫県にあり、自転車で15分の距離に阪神競馬場があったため、少年の僕が競馬に興味を持つのは自然な流れと言えました。

グラスワンダーから始まり、テイエムオペラオーにナリタトップロード、クロフネ……
阪神競馬場のゴール板、少年だった僕の目の前を駆け抜けていった名馬たちはいくつ指を折っても数えきれません。
そして少し時が流れ、ちょうどヒシミラクルが宝塚記念を勝った当時、大学生となった僕は阪神競馬場で警備員のアルバイトをしていました。

レースを終えた人馬が戻ってきて、鞍を外し、検量室へ入ってゆく……
今でもテレビでよく見る光景です。幸運な事に、この検量室のドアを開ける「ドアボーイ」のような役割を、僕は任されていました。
余談ですが、当時の勝利ジョッキーインタビューは現在の様に宣伝ボードをバックに行われるものでなく、検量室のドアの前で行われていました。そのため僕もたびたび競馬中継に写っていて、翌日同級生にからかわれたものです(笑)
そうした環境にありましたから、馬主さん、調教師さん、騎手の方々、その他競馬に関わる方々と間近に接することができました。

その時、大学生の僕は「いつか必ず馬主になってここへ戻ってくる」と、胸に誓ったのです。

「どのように馬主になったのか?」

それから大学を卒業、人並みに就職し、20代は本気で仕事に打ち込み、31歳となった一昨年、少し仕事に余裕が出たこともあり、ふと思い立って「一口馬主」をやろうと決心しました。

僕が選んだクラブは岡田繁幸総帥率いるラフィアン・ターフマンクラブ。

最初に選んだシュピールカルテは、現在未勝利の身ではありますが、すでに自身の馬代金はペイする活躍を見せてくれています。
一口馬主は、本当に楽しいです。しかし、自らの立場が「あくまでもクラブの会員にすぎない」ために、関係者エリアの立ち入りを禁じられるなど行動に制限が多いのも事実です。
JRAの一口馬主は、出資状況によっては扱う金額がそこらの地方馬主と変わらない、むしろ場合によっては多くなることも当たり前にあります。
例えば、今年のキャロットクラブの最高金額馬は1口(1/400)30万円ですが、同じ金額を出せば地方馬主として1口(1/20)「共有」することができます。

また、JRAの一口馬主は1/40出資すると、毎月の維持費がおよそ15000円かかります(入厩時)。これは地方競馬馬主の1口共有(1/20)でかかる維持費とさほど変わらない金額です。

つまり、JRAとNARという舞台の大きな違いはあるものの、一口馬主も地方競馬馬主も、同じ1口で扱う金額が大して変わらないのに馬主としての権利が著しく異なるのです。その差を生むのはやはり馬主という「資格」に他なりません。
そんな状況に疑問を感じていたため、一口馬主ライフをスタートするとほぼ同時に、やっぱり何とか「本物の馬主」になる方法はないものかと模索しました。
すると、地方競馬馬主の要件「前年の所得が500万円以上」というものが、目に飛び込んできました。
所得が500万円ということは、給料で言えば年収680万円程度でクリアです。しかも何年も継続する必要はなく、1年だけクリアすれば良い。これは死にものぐるいで働けば、どうにかなる金額かもしれないと思いました。

そこで僕の腹は決まりました。

「よし、今年なにがなんでも所得500万円稼いで、来年馬主になってやる!」と。

そこからは本当によく働きました。

正確には数えていませんが、2015年はおそらく年間通して5日程度しか休んでいないはずです。つまり360日は働きました。仕事もいくつも掛け持ちしました。
この記事の冒頭に書きましたが、僕は今でこそ経営者ですが、起業したのは2016年の夏です。

2015年の僕は平たく言えば「ただのフリーター」でした。

ただのフリーターだろうが何だろうが、要するにたった1年だけ、365日で680万円稼げばよいのです。どこのどいつであろうと、仕事がなんであろうと、来年どこで何をしていようと、それで文句なしに「馬主」として受け入れてくれるのがNARなのです。(なんて懐が広いのでしょう!!)
1日で割れば、およそ1万9000円。フリーターでも死にものぐるいで働けば不可能ではない金額だと思いませんか?
本当に、死にものぐるいで働けば。

また、年間所得が500万円に1円でも届かなければアウトかというとそうではありません。
その場合は、資産(一般的には銀行預金ということになると思います)の金額によっては登録が認められるケースがあります。
僕の感覚では、所得が500万円にはギリギリ届かなくとも、おそらく銀行預金が500万円ほどあれば当落ラインすれすれといったところではないかと思います。(個人的な感覚なので、正しくはNARの登録課へお問い合わせを)
つまり、年収680万円目指してガムシャラに働いて、それでも僅かに届かなかったとしても、諦めずに申請してみる価値があるということです。

地方競馬馬主は「絶対に手が届かない高嶺の花」ではありません。
馬主になるという夢と根性と健康な体(これが一番大事)があれば多分誰にでも達成できる目標です。

今はまだそんなに稼げていないけど、いつか稼いで馬主になりたい!と思っている方は是非、この壁にトライしてみてください。
そうです。今年はまだ始まったばかりなのですから。
きっと来年の秋に、あなたの夢は叶います。

… … なんて偉そうな事を言っていますが、僕もまだまだ夢の途中です。

いつか馬主として阪神競馬場のウイナーズサークルに立たなくてはなりませんから。
そしてそれはルール上、地方競馬の馬主でも可能なことです。

写真:ウマフリ写真班

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