馬旅~野生の馬・御崎馬に会うため宮崎へ~

「日本にも、野生に近い状態の馬を観ることができる場所があるらしい」

私がSNSで宮崎県串間市「都井岬」という存在を知ってから、約1年の時が過ぎました。そしてついに先日、行ってみたかったその場所に一人旅を敢行。今回はその日の思い出を、写真とともに振り返ります。


宮崎市内から国道220号線を南下。左手に海を見ながら都井岬へと向かいます。

本来はこのまま国道220号線を走っていても都井岬に到着できるのですが、記録的豪雨の影響で途中通行止めがあり、途中から国道448号線からのルートに進路変更することに。

 

それからしばらくすると、さっそく標識に「馬」を発見

さらには橋にも「馬」

 

もうすぐ馬に会えるのかと思うと、ワクワクして長いドライブも苦になりません。

都井岬の入り口付近に到着すると、まずは「駒止の門」がお出迎え。

まるでこれから「馬の国」に入国するための入国審査を関所で受けるような、非日常的な気分が味わえます。

 

さて、ここで『入国』前に簡単な注意事項をおさらいです。

ここ都井岬には、希少な在来種として国の天然記念物に指定されている「御崎馬(みさきうま)」が生息しています。都井岬では頭数が減りつつある御崎馬を、あえて食べ物を与えることなく、できる限り人の手をかけすぎない野生に近い状態で保護・管理しています。

ですので、馬に触ることもNGです。

そうしたことを改めて念頭におきつつ、料金を支払います。

「都井岬パスポート」をゲット。

場内の制限速度は30キロです。

入場してからゆっくりと車を走らせてみると……いました!

第一の馬、発見!

うわああああ、本当に普通に、裸馬の状態で道を歩いている!素直に感激!

 

「こんにちは、今日は暑いですね~。お邪魔しています!」

「…………(トコトコ)」

蹄鉄をはいていないせいか、足音は静かです。

 

サイドミラーにもバックミラーにも、馬が映ります。

車を降りて看板を読もうして上に視線を移すと丘の上では馬が草を夢中で食んでいました。

のんびりしていると、先ほどの「第一のお馬さん」が何かに向かって大きく嘶きます。

すると、道路の奥からお返事が。

(ん?誰かいるのかな……?)

しばらくすると、奥からお母さんらしき馬と仔馬がトコトコと歩いてきました。

どうやらお返事の主のようです。

仔馬ちゃん、大人の馬にご挨拶。

その後、3頭仲良く丘のほうへ歩いていきました。

 

春が出産シーズンだそうで、あの仔馬ちゃんは今年の春に産まれたばかりなのでしょう。

その日はとても暑い日でしたが、大人の馬にくっついてしっかりと歩いていました。

とっても近くを歩いていくのですが、決して馬に近づきすぎたり、触れてはいけません

車のエンジン音やドアの開閉音でびっくりさせちゃうんじゃないかと心配でしたが、まったく気にしていないように見えました。

 

馬は人間を必要以上に警戒するそぶりは見せることはなく、自然に私たちの脇を通り過ぎていきます。

「人間は危険な存在じゃないけど、慕う関係でもない」というような、不思議な距離感です。長年馬の保護に努めてきた人間と馬が築いてきた、絶妙な信頼関係によるものなのかもしれません。

 

都井岬にはビジターセンター(うまの館)があります。

大人310円、中学生・小学生200円で御崎馬に関する人と馬との歴史、自然の営みから馬の一生についての解説・展示を見ることができます。馬たちは一夫多妻制で、いくつかのハーレムを形成しているそうです。

競馬場や乗馬クラブ、観光牧場では、群れで生活する馬を観ることができないので「本来、馬はそのようにして生活するものだったのか!」と気づかされました。さらに「馬の一生の話」では、ここが決して馬の楽園ではない……自然を生き抜く厳しさを知ることができます。

ぜひみなさんにも行って、実際に見たり聞いたりしていただきたいので、ここではあまり詳しく書きません。

 

 

ビジターセンターを出てさらに岬の先端を目指す途中、広大な敷地の中に航海と縁結びの神様がまつられた御崎神社があります。

鳥居の入り口付近では看板をうまく利用して、背中の痒い所を掻いている馬がいました。

背中が痒くなったらここに来るのでしょうか?

鳥居をくぐった先にもボロがおちていたので、直前まで馬たちがここにきていたことが感じられます。

 

うーん、絶景です。

岬の先端に向かう途中、また別のハーレムに遭遇しました。

灼熱の太陽の中、みんな夢中で芝を頬張っています。

 

さらに奥に進むと岬の先端に、真っ白な都井岬灯台が。まだまだ現役で活躍中の灯台です!

「猛暑の中これをのぼるのはキツイ!」と思いましたが、頑張ってチャレンジしてみることに。てっぺんからの絶景は素敵で、それ以上に灯台の上は「風がきもちよくて涼しかったな」というのが心に残りました。

夏は頑張ってのぼってみるのがおすすめです!

 

 

灯台の上から、さっきの4頭が同じ場所で草を食べているのが小さく見えました!

水色の建物の手前あたりです。

御崎馬との遭遇でテンションがあがっているものの、さすがにお腹がすいてきます。

というわけで、栄養補給を。

宮崎といえば…………

 

 

YES!

マンゴーです!

御崎灯台手前の右側にある、前田商店さんの自家製マンゴーアイスを購入。

冷たくて贅沢で美味!

前田商店さんには、馬グッズやマンゴーの販売もありますよ。

 

さきほど、ビジターセンターで「今日は暑いので風が当たるところに馬がいますよ。丘に登ってみてください」とおすすめされたのですが、普段運動不足の私は「体力的に、遠慮しようかなぁ~……」といった気分でした。

しかしそこを「いやいや、せっかく来たんだから!」とひと踏ん張り。

 

栄養補給もしたところで、意を決して風があたる丘の上に登ってみることにしました。

下からはあまり馬の姿は見えないのですが、丘の入り口にはたしかに馬の足跡がいっぱいあり、期待に胸が膨らみます。

途中で水飲み場を発見。

お水は群れごとに、みんな交代で飲むそうです。

ボロに気を付けながら、まだまだ坂道を進みます。

 

のぼり続けると、だんだん馬の群れが増えてきました。

馬たちも、涼をもとめて食べながらのぼってきたようです。

そして、苦労の末頂上までのぼりきった先には……見渡す限り、水平線と馬!!(と、ボロ!!!)

 

頑張ってのぼって、よかったウマー!

仔馬ちゃん、こんにちは。

眠くなっちゃった仔を発見。

大人に見守られているからか、安心して熟睡しています。

春に産まれた仔馬の中で1歳をむかえることができる馬は、約半分だそうです。

 

御崎馬たちは、これから夏の暑さ、冬の寒さを乗り越えて生きていきます。

自然の恵みも厳しさも全部受け止めて、群れと共に生き抜く都井岬の馬たち。

 

一心に草を食むその姿は「生きるために食べる」姿そのもの。

シンプルに「生命」を感じました。

今日も明日も、馬たちはここで草を食んでいるのでしょう。

ただそれだけの景色なのに、不思議とまた訪れたくなる気持ちになる場所です。

 

「また来よう!」

帰り道、お土産を買いながらそう心に誓ったのでした。