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ダートグレード競走で引き金をひけ!プルザトリガー

 

地方競馬で行われるダートグレード競走は、やはり中央競馬所属馬が優勢。地方競馬ファン・地方競馬所属馬にとって高いハードルとなります。だからこそ、地方競馬所属馬が活躍した時には、大いに盛り上がり、多くの賞賛を浴びることになります。今回はスパーキングレディーカップであわやの好走をし、その後、中央競馬所属馬相手に活躍していくことになったプルザトリガーについて書いていきます。

2005年NARグランプリ最優秀牝馬に輝いたプルザトリガーは、トゥインクルレディー賞、TCKディスタフ、そしてダートグレードGⅡのエンプレス杯も制した実績馬。

エンプレス杯では、グラップユアハートやレマーズガールといった、今まで負けていた中央競馬所属馬を破っての逃げ切り勝ちだっただけに、地方競馬ファンの盛り上がりは相当なものでした。鞍上の内田博幸騎手も大きくガッツポーズで喜びを表現したのが印象的な一戦です。

 

そんなプルザトリガーは、道営デビュー馬。2歳から3歳年明けまでに札幌・旭川・門別で7戦して、2勝。この7戦には、JRA札幌競馬場2歳500万下芝1000mのレースも含まれているのですが、なんとこのレースの勝ち馬は、あのアローキャリーでした。ちなみにこのレースはJRAのレースながら、11頭全てが地方競馬所属馬……さらには鞍上も全て地方競馬所属騎手という、かなり特殊なレース。当時、ちょっとした話題となったのを覚えています。

 

プルザトリガーはその後南関東へ移籍。

そこそこ人気はするもののなかなか勝てず、南関初勝利は移籍後7戦目の川崎競馬場・水芭蕉特別でした。

その後はたまに勝っては大敗の繰り返し……彼女が本格化するのは、船橋競馬場・めのう特別を勝利した頃からでした。

めのう特別1着→綺羅星特別4着→青海波特別1着→フェイスフルステッキ特別7着→アクアライン特別1着→初茜特別1着→アメジストスター賞8着→エイプリル特別1着→エメラルド特別1着→ジューン特別6着。

そして、2004年スパーキングレディーカップをむかえることになります。

私にとっては「プルザトリガーといったら田部和廣騎手」なのですが、アメジストスター賞以降は田部和廣騎手が乗ることはなく、内田博幸騎手が主戦騎手となります。

 

 

そうしてむかえた2004年のスパーキングレディーカップですが、このレースでは内田博幸騎手に先約があったのか、プルザトリガーには山中尊徳騎手が騎乗。

山中尊徳騎手は船橋競馬所属騎手で、通算336勝……重賞勝利は浦和桜花賞のアミー号のみという戦績でした。ちなみにその浦和桜花賞では、アミーは未勝利だったこともあり10番人気。獲得賞金で各付けされる地方競馬では、勝利数が少なくても重賞競走に出走する馬はいるのですが、それでも未勝利での浦和桜花賞出走は、珍しかったと記憶しています。

アミーはこの浦和桜花賞で大金星の初勝利をあげたものの、その後は勝ち星をあげることができませんでした。

そのためアミーは通算11戦1勝、勝ち星は浦和桜花賞のみという極めて珍しい記録の持ち主となりました。

山中尊徳騎手はその後調教師となり、現在は船橋競馬所属調教師として200勝以上をあげています。2017年にはJRAのレースである芙蓉ステークスやアイビーステークスに、トーセンブル&本田正重騎手のコンビでチャレンジしています。

 

閑話休題。2004年スパーキングレディーカップには、当時ダートグレード競走の牝馬戦線で凌ぎを削っていたレマーズガールとグラップユアハート、さらにはトーセンジョウオーにジーナフォンテンと名立たる中央競馬所属牝馬が出走していました。プルザトリガーは11番人気と、完全に穴馬扱い。このレースも中央勢で上位独占と思われていました。

 

レースがスタートすると、山中騎手が押してプルザトリガーが2番手につけます。

中央勢は中団で虎視眈々。

すると3コーナーで山中騎手が一気にしかけてプルザトリガーが先頭へ!

しかしトーセンジョウオーが良い手応えで2番手から先頭へ追いつきます。プルザトリガー万事休すと思いながら直線をむかえますが、なんとプルザトリガーが直線に入ってから後ろを離して、2馬身くらい前に出ます。

山中騎手渾身の追いでプルザトリガーは先頭をキープ。

そのまま決まるかと思われた残り50m……無情にもグラップユアハート・レマーズガールに交わされて3着でゴール。

1着グラップユアハートと2着レマーズガールの着差は4分の3馬身。

2着レマーズガールと3着プルザトリガーの着差は2分の1馬身。

本当にあと少しのところで、大金星が逃げてしまいました。

ちなみに画面の見えない場所から13番人気バハムート&柴山雄一騎手のコンビが追い込んで4着。人気薄の地方競馬所属馬が、惜しい3着4着でしたから、地方競馬ファンは大いに喜んだものです。ちなみに、バハムートについてもいつか記事を書いてみたいですが……それはまたの機会に。

 

 

プルザトリガーはその後、エンプレス杯を制覇するなど南関を代表する牝馬として活躍します。そうした飛躍は、このレースが契機となっているように感じます。

このあとは全て内田博幸騎手が騎乗していますが、田部和廣騎手とのコンビはもちろんのこと、山中尊徳騎手とのコンビももっと見たかったというのが、個人的な感想です。

 

プルザトリガー産駒には、ヒビケトランペット・ユメノカクレガ・ギンマクデビュー・ロッパツノダンガンなど面白い馬名が多いのですが、それはプルザトリガーの馬主である高橋照比古さんが所有している馬ばかり。高橋照比古さんの思い入れを感じるとともに、地方競馬ならではの素敵さを感じます。

引き金をひけ!

プルザトリガーの産駒が六発の弾丸!

素晴らしいネーミングセンスですよね!

 

スパーキングレディーカップは、ホクトベガメモリアルと銘打たれています。

このレースをきっかけに、ホクトベガのようにダートグレード競走で活躍する牝馬は現れるのか!?

もし現れるとしたら、それがプルザトリガーのように地方競馬所属馬であることを、一人の地方競馬ファンとして願ってやみません。

 

文・プーオウ

 

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