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Rewind the race:真直少女~2014年シルクロードステークス~

競馬ファンの語り草になっている2015年ヴィクトリアマイル。

5→12→18番人気の決着で、なんと3連単は2000万円越え。競馬ニュース以外でも取り上げられ、多くの注目を浴びた一戦となった。

 

この時は払戻金のインパクトが先行してしまったが、勝ち馬のストレイトガールは先行する2頭を長い直線猛追しての勝利。

力強さが光った一戦でもあった。

この時はマイルでの勝利だったが、本来はスプリンターの彼女。

今回はスプリンターとして初めての栄冠を手にしたレースについてご紹介していく。

 

 

2009年に生まれたフジキセキ産駒のストレイトガールは同世代にゴールドシップやジェンティルドンナといった強豪馬のいる、個性派ぞろいな世代の一角としてデビューした。

デビュー2戦目で初勝利を挙げ、オープンでは勝ちきれなかったものの8戦目で2勝目をマーク。古馬とのぶつかり合いでも結果を残すようになっていた。

そんな彼女が覚醒の兆しを見せたのが4歳の夏に挑んだ北海道遠征。

「夏は牝馬」という有名な格言があるが、まさにその格言のままに大躍進を見せた。

函館初戦は2着に敗れるも、そこから連闘で挑んだ500万下で自身3勝目を挙げる。さらに1000万下、1600万下と条件戦を連勝し、遂にはオープン特別のUHB賞まで一気に制覇。

何と北海道シリーズだけで、オープン競走まで制してしまったのだ。

夏に才能開花を果たしたストレイトガールは、晴れてスプリント界の頂点へと挑戦するのであった。

 

 

──時は流れて2014年の2月。

ストレイトガールはG3シルクロードステークス出走のため京都競馬場にいた。

夏の勢いそのままに挑んだキーンランドカップは2着に敗れたものの、しっかりと休養を挟んで改めて重賞に挑戦。

このレースでは重賞初制覇も然ることながらG1高松宮記念に出走するうえでは何が何でもここでは結果を残さなければならないというレースでもあった。

単勝人気では、こちらも4連勝で勢いそのままに頂点を狙うレディオブオペラが1倍台の指示を受け、ストレイトガールは2番人気。

重賞初制覇を狙う1枠両馬が人気を集めることとなった。

 

京都競馬場の向こう正面でゲートオープン、スタートが切られた。

スタートは揃っていたが、ダッシュを利かせたのは最内のレディオブオペラ。

得意の逃げ戦法へハナを奪い切る。つれて上がったのは重賞馬のマジンプロスパー。ストレイトガールは内5番手辺りでじっと構えた。

 

道中では緩やかなペースで逃げたレディオブオペラが、4コーナーではリードを広げて直線へ。

そのまま押し切りを狙った逃げ馬に迫ってきたのは、同じ白い帽子のストレイトガールだった。

内でじっくり構えていた彼女は、岩田騎手のアクションに応えて一気にレディオブオペラを追い詰め、そして抜き去った。

直線半ばでもリードは広がるばかり。

重賞挑戦2戦目とは思えないような強さを見せ、牡馬相手に見事、初タイトルを手にした。

 

牝馬とは思えぬ力強さで初重賞制覇を果たしたストレイトガール。

この年は絶対王者ロードカナロアがターフを去り、スプリント界は混沌としていた。

そんなスプリント界にまさに疾風のごとく飛び込んだ彼女の眼は、まっすぐに春の桶狭間──そして海の向こうまで見据えていたに違いない。

 

文・ハラシュー

写真・Horse Memorys

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