[インタビュー]新しい乗馬のフリーマガジン「馬旅」代表の語る、乗馬の魅力

新しい乗馬のフリーマガジン「馬旅」。

2019年の4月1日に創刊号が発行されたばかりという、まさに新進気鋭の馬系メディアだ。

4月、7月、10月、1月の年4回というペースで発行していく予定で、電子ブック化されたWEB版もすべて無料。

さらに配布場所は、全国の乗馬倶楽部約200箇所という幅広さを誇る。(配布場所一覧はこちら

 

今回はそんな「馬旅」を制作するホースパートナーズ の戸苅代表にお話を伺ってきた。

そこにある信念とは?

乗馬の面白さとは?

そうした率直な疑問について、ひとつひとつ丁寧にお答えいただいた。


乗馬への入り口を広げたい、という強い想いからでした──戸苅さんは、創刊への想いについて、そう語る。

「乗馬というのは敷居が高く、実際にやってみようという方は少ないと思います。そのような中で、『乗馬×旅行』を組み合わせることで、乗馬を身近に感じていただきたいと思っています。そして、それをきっかけに乗馬を習う人が増えたら、と。乗馬の人口が増えることで、乗馬業界全体が活性化しますし、さらには引退競走馬の活躍の場を増やすことへと繋がっていくはずだと思っています」


そんな戸苅さんと乗馬の出会いは高校生の頃。近くの乗馬クラブで体験乗馬に行ったのがきっかけだったという。もともと動物が好きだったこともあり、すっかり『馬の魅力』にはまってしまった戸苅さんは、大学では馬術部に入部して、本格的に馬術を始めた。

■旅行先の草原で乗馬している自分を想像して欲しい!〜乗馬の魅力とは〜

乗馬の魅力のひとつに『大人になってから始めても上手くなれる』という点がある。

実際、多くの方が大人になってから乗馬を始めているそうだ。


「何を目的にするかということもありますが、全乗振5級は10回程度のレッスンが目安で取得できるかと思います。全乗振4級の目安は、50回程度のレッスンです。明確なルールがある訳ではありませんが、全乗振5級は乗馬クラブの会員にならなくても取得できる場合が多いので、まずは5級を取得し、その後、外乗というホーストレッキングを楽しんでみるのもオススメです」

そう語る戸苅さんは、乗馬の「ハードルの低さ」を強調する。


多くの乗馬未経験者にとって、1番最初に立ちはだかる壁は、その敷居の高そうなイメージだろう。しかし戸苅さんは、心配は不要だと言う。

乗馬の目標や目的は、人それぞれです!競技会に出場してバリバリ活躍する自分をイメージするのではなく、一度『旅行先の草原・森林で、マイナスイオンを浴びながら馬に乗って自由に散歩する自分』を想像していただきたいです!」

 


また、『馬という動物と過ごす時間』というのも、乗馬をしている魅力のひとつだ。

競馬を見ていても分かる通り、確かに個々によって性格は異なる。

しかし基本的に馬は、とても優しい動物だ。どのような人であっても、馬は大抵受け入れてくれるのだと、戸苅さんは説明する。

悲しいときや辛い時、そっと側に寄ってきてくれたりするんです。大学生の頃は馬術部員として競技にも出場しましたが、思ったようにいかないときや失敗もたくさんありました。それでも馬に支えてもらい頑張れたので、今でも感謝しています」

 


その他の魅力として「姿勢が良くなった」「体幹が鍛えられた」「ダイエットになった」という声もよく耳にするそうだ。

さらに、戸苅さんは最後にもうひとつ付け加えた。

「日本において乗馬人口の男女比率は、女性7割・男性3割と言われています。出会いの機会が少ない男性には、出会いの場になるかもしれませんね!恋人や夫婦になっても、共通の趣味として楽しめると思います」

■現代では『競馬』を通して人と馬が繋がっているように感じます〜『乗馬』と『競馬』〜

マーチSやプロキオンSなどを勝利した重賞馬・タヤスケーポイント(父:アジュディケーティング)に乗ったこともある戸苅さん。


競馬と乗馬の関係性について、馬だけでなく『人の繋がり』がとても強い点に着目している。

「多くの乗馬経験者が、競馬界で活躍しています。厩務員さん、調教助手さん、調教師さんの中にも、学生馬術出身の方は多くいらっしゃいますから」

特に注目しているのはサンクスホースプロジェクトの取り組みだ。


「競馬関係者と乗馬関係者が協力して多くの引退競走馬がリトレーニングされ、乗用馬として活躍しています。今後乗馬人口が増加すればさらに、そういった活躍をする馬は益々増えていくと思っています

そんな戸苅さんは、乗馬ファンであるとともに、一人の競馬ファンでもあるという。


「競馬場で駆け抜ける馬達の姿はいつ見ても美しく、感動します。それに、古来より『人』と『馬』は生活において密接に関わってきましたが、現代では『競馬』を通して人と馬が繋がっていると感じていますね」


好きな馬はクロフネ。

好きなレースはクロフネのジャパンカップダート。


──そんな生粋の競馬ファンだからこそ、乗馬の世界で見えるモノがあるのだろう。

乗馬愛好家の方に限らず読んでいただきたい!〜「馬旅」について〜

「馬旅」を制作するホースパートナーズ の開業は、2018年8月。


その後、国内旅行業務取扱管理者の資格を取得し、旅行サービス手配業の認可を受けた。広告業と同時に乗馬に関する旅行サービスも展開していく……というビジョンによるものなのだという。


馬旅は『乗馬業界』と『一般企業』をつなげる架け橋になりたいと思っています。企業様に馬の魅力を理解していただきながら、企業様と共に乗馬を普及させていくことが目的です。そして、多くの人が馬とのつながりによって幸せになることを願っています」



 

馬のイラストレーター・記事のライター・デザイナーなど、発行にあたって多くの人々の協力を得てきた。さらに、取引先となる企業・団体との度重なる意見交換もあった。実際に顔を合わせるため、方々に何度も足を運んだ。


そうしてできた一冊の冊子。


その半年間で、本当に多くの出会いがあったのだという。戸苅さんは「ご協力くださる皆さまのおかげで、私は毎日充実しています」と話した。

「乗馬愛好家の方に限らずこれから乗馬をしてみたい人、馬が好きな人、競馬好きな人、旅行好きな人など、多くの人に興味を持っていただきたいです。電子ブックでも無料で読めますので、気軽にご覧いただければ幸いです!」


そんな「馬旅」は、乗馬初心者でも楽しめることを意識して制作されたそうだ。

海外で馬と関わって仕事をする女性による記事や、健康を意識した乗馬にも役立つ養生料理の紹介など、取り扱う内容は多岐に及ぶ。

その夢は、冊子だけに収まらない。


『馬に乗ると旅はもっと楽しくなる』をモットーに、実際に旅行会社との乗馬ツアーも企画しています。また、多くの企業さまに馬の魅力を理解していただけるように取り組んでまいります。夢は、協賛いただいている企業様や、馬旅配布に協力いただいた乗馬倶楽部様と協力してイベントを行うこと。乗馬を知らない人にも大障害の競技を間近で見ていただき、子供達が『馬』を通して大障害の選手たちと触れ合えるイベントを行うのが私の夢であり、最終目標です!」


「『ウマフリ』に加えて『馬旅』も楽しんでいただければ嬉しいです!」

そう語る戸苅さん。


語っていただいた夢や目標の実現も、きっとそう遠くない未来なのだろう──そう感じさせるインタビューだった。

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文・オガタKSN

写真・PIXABAY