応援する人馬がダービーを勝つとき〜サニーブライアンと的中馬券〜

 

競馬の格言には、有名なものがいくつかあります。

牡馬三冠レースにおける「皐月賞は最も速い馬が、ダービーは最も運の良い馬が、菊花賞は最も強い馬が勝つ」というものは、その中でも有名なひとつかもしれません。

 

とはいえ、実際に三冠レースのいずれかを勝つには、余程の実力がなければなりません。そして、実力がある馬はオッズにも反映されます。

特に、競馬の祭典といわれる東京優駿(日本ダービー)ともなれば、人気薄の馬では掲示板こそあれ、勝つというのはなかなか無いことです。

そのため、マイナージョッキー・マイナーホースが大好きな「生粋の穴党」である私にとって、なかなか馬券が的中しないのが、日本ダービーになります。

 

日本ダービーで私の記憶に残っているのが、もう20年以上も前になるサニーブライアン&大西直宏騎手のコンビになります。

デビューから全10戦、全て大西直宏騎手が騎乗。

日本ダービー後は怪我で復帰ができず、そのまま引退となってしまいましたが、もし現役が長く続いていたとしてもこのコンビで走っていたはずです。

 

 

 

今日はそんなサニーブライアンについて、お話をしていこうと思います。

 

 

サニーブライアンは新馬勝ちをおさめた馬でしたが、皐月賞までは8戦2勝と目立った存在ではなく、むしろ「よく皐月賞に出走できたなぁ」と思われていた1頭だったかと思います。しかし、なんだかこのコンビが気になって仕方がなかった私は、皐月賞でシルクライトニング&安田富男騎手を本命にしつつ、対抗にはこのコンビを選びました。

 

そして、皐月賞がスタートします。

 

サニーブライアンが良いスタートを切ったので、自然と「よし!そのまま!!」と声が出ましたが、まわりからは失笑が起こります。

しかしそのまま順調にレースを進めたサニーブライアン。テイエムキングオー&田島裕和騎手を先にいかせて、向こう正面からは先頭に立ちます。

 

ただ、実況ではほとんど名前をよばれることはなく、多くの視線は後ろにいた人気馬たちに集まっていました。

4コーナーから直線に入り、サニーブライアンが逃げ切り体勢に。さらに間を縫ってシルクライトニングが伸びてきます。

 

「よっしゃー!来い来い来い!!」

私ひとりが絶叫しているものの、まわりは唖然とした空気。

ゴールしてからも「ほらみろ!ドンピシャー!!」と一人雄叫びを上げましたが、周りはシーンとして、私の声だけがこだましていました。

 

この時私はウインズにいましたが、後で聞くと現地である中山競馬場も異様な空気だったそうです。

この馬券(馬券その1)を見ていただければ、なぜ私が発狂したのかもお分かりいただけるとおもいます。

馬連5万馬券を200円……20歳前半の若者にしてみれば、発狂しない方がおかしいくらいの高配当です。

この後しばらくは羽振りが良かったような記憶があります(笑)

 

 

 

そして、日本ダービー。

頂点を決める舞台で、競馬ファンはさらに困惑させられることになりました。

 

「サニーブライアンはフロックで皐月賞を勝ったから、ダービーでは……」

「皐月賞を大外から逃げ切ったのだから、ダービーも……」

 

そんななか、大西直宏騎手が皐月賞と同じく大外枠を希望していたところ、なんと日本ダービーでも大外枠に。

ところが当時の雰囲気では、前者であるサニーブライアンをフロック視する方が多かったように記憶しています。

 

実際、日本ダービー当日の一番人気は、皐月賞を差しそこねたメジロブライトでした。

二番人気は、皐月賞もプリンシパルステークスも差しそこねたランニングゲイル。

三番人気は、ダービー最終便といわれる毎日杯を勝ったシルクジャスティス。

四番人気は、プリンシパルステークスを先行して勝ったサイレンススズカ。

五番人気は、ダービーと同じ距離の青葉賞を勝ったトキオエクセレント。

六番人気に、ようやくサニーブライアンの名前がありました。

 

ちなみにシルクライトニングは、レース発走直前に無念の競走除外に。安田富男騎手が、シルクライトニングから鞍を外し、鞍を持ちながら残念無念といった表情で、ラチの内側に入っていく姿は、今でも印象に残っています。

この馬券(馬券その2)はその瞬間、10分の7のお金が戻ってくることになりました。

日本ダービーというレースで、そのような返還は嬉しいものではありません。

私も一緒に「残念無念」という気持ちになりました。

もうこうなったら、サニーブライアン&大西直宏騎手に、逃げ切り勝ちをしてもらうしかない!

そのような想いで、レースを見ました。

 

結果は、ご存知の通り。

サニーブライアン&大西直宏騎手は、大外から積極果敢に逃げ、そのまま先頭でゴール。

日本ダービーを勝利します。

フジテレビの三宅正治アナウンサー「これはもう、フロックでも、何でもない!二冠達成!」の名実況は、家に帰ってから知ることになりました。

現地では、大西直宏騎手の派手なガッツポーズや、場内で沸き起こる大西コール、大西直宏騎手が朴訥としていながらも感極まっている様子でインタビューに答える姿など、次々に感動的なシーンに立ち会えました。

ディープインパクトやキズナなど、馬券とは関係なく「競馬ってすごいな、良いものだな」と思う日本ダービーは数多くありました。

さすがに私も、大の競馬好きですからね。

 

とはいえ、応援している人馬が勝って、さらには馬券もドカンと的中して「よっしゃー!」と思える日本ダービーであってほしい、ということも、常に思っています。

 

 

さて今年の日本ダービーに、穴党の私に出番はあるのか?

馬券が的中して想い出深い、日本ダービーになるのか?

 

……その可能性は著しく低いことは分かっていながらも、毎年、日本ダービーを楽しみにしている自分がいます。

 

みなさんも一緒に楽しみましょう!

 

とはいえ、最近は、ずっとコンビを組み続けるマイナージョッキー&マイナーホースが減っていて、応援する人馬がG1に出ること自体がとても少なくなっているんですけどね……

 

文・プーオウ

写真・かず

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